クリニックに駐車場は必須？開業前に知りたい基礎知識

クリニックに駐車場を設置するメリットや設置時のポイント・注意点をまとめました。開業するクリニックに駐車場を設置すべきか悩まれている方は、ぜひご参考ください。

クリニックに駐車場を設置するメリット

クリニックに駐車場を設置する具体的なメリットは、以下の通りです。

集患機会を増やす

駐車場を設置することによって、患者さんがクリニックに来院する機会を増やすことができます。小さなお子さんや高齢者連れの方、身体的事情のある方は、公共交通機関の利用を避けたい場合、車で来院される傾向にあります。

駐車場がないと、車で来院できるクリニックへ行ってしまうかもしれません。近くの競合クリニックが駐車場を設置していない場合、自院に駐車場があることによって差別化につながります。

集患範囲が広がる

駐車場があるクリニックは、集患範囲も広がります。車で来院できるなら、多少遠くても足を運んでくれる可能性が高まるからです。

特に、電車やバスなどの公共交通機関が発達しておらず車がないと移動するのに不便な地域では、広い範囲の患者さんが来院する可能性があります。

送迎や付き添いがしやすい

小さなお子さんや高齢の患者の場合、家族が車でクリニックまで連れていき付き添いができます。

駐車場があれば、ひとりでは足を運べない体調の悪い患者を送迎する際にも重宝されるでしょう。特に敷地内に駐車場があるクリニックの場合、送迎がしやすいことから集患数の増加にもつながります。

クリニックが駐車場を設置する場合のポイント

クリニックに駐車場を設置するのであれば、利便性の高さが大切です。

「駐車場を利用しやすい」という印象を患者さんに与えるためにも、設置の際には以下のポイントに気をつけましょう。

駐車スペースは分かりやすく

駐車スペースには白線を引き、分かりやすくしましょう。駐車スペースを明示することによって、車両や歩行者の動線を塞ぐ駐車を防ぐことにもつながります。

駐車スペースを広くとる

駐車する車同士の間隔がない駐車場は、利用者に不便さを感じさせてしまいます。特に、クリニックに来院する多くは高齢者や傷病者などです。

患者さんが乗り降りしやすいよう、車両1台あたりの駐車スペースは広くとりましょう。

出入りしやすい駐車場か

駐車場の出入口にも注意が必要です。出入口が狭く、クリニックから出る車と入る車のどちらかが進路を塞いでしまう駐車場だと、事故やトラブルにつながるリスクが高まります。

道路に面している駐車場の場合、出入口が狭いと後続車が渋滞する原因にもつながるでしょう。苦情の原因にもなりかねないので、交通量の多い地域では特に注意が必要です。

駐車場内の移動のしやすさ

袋小路になっている駐車場の場合、駐車スペースが空いていなかったときに車両の身動きがとれなくなってしまいます。車両が移動するスペースや方向転換できるくらいの広さを確保しておくことが大切です。

移動距離が短いか

せっかく設けた駐車場も、クリニックとの距離が遠いと敬遠されてしまいがちです。建物との併設がのぞましいですが、施設内の設置が難しい場合は駐車場とクリニックの移動距離をなるべく短くしましょう。移動距離が短いぶん、来院する方の負担軽減になります。

雨に濡れない工夫がされているか

屋根付きの駐車場とまではいかなくても、患者さんが雨や雪に濡れないように工夫しましょう。駐車場からクリニック入口までの動線に屋根を設置する、入口前に車寄せスペースを設けるなど、患者さんが濡れずに入れるようなクリニックは喜ばれます。

天候に左右されることなく来院できるため、来院機会の増加にもつながるでしょう。

駐車場設置の注意点

クリニックに駐車場を設置する場合、得られるのはメリットだけではありません。あると便利で患者さんにも喜ばれますが、設置すればそれだけコストもかかります。

駐車場の工事費や管理費、所有地でなく借りる場合には賃料がかかります。また、駐車場内での事故やトラブルが発生する可能性もゼロとはいえません。

駐車場設置で悩んでいるのであれば、費用対効果も踏まえた上で検討しましょう。