クリニック開業に必要な経営資源

あらゆる企業が事業活動を行なうにあたって使用する資産、それを経営資源といいます。それはクリニックも例外ではありません。ここでは、クリニック開業に必要な経営資源について説明します。

クリニックの経営資源1：ヒト

経営資源でいうところの「ヒト」はつまり人材の意味で、クリニックの場合はそこで働くスタッフのことです。それに加えて、会計士や税理士、業務委託先のメンバーも含めて「ヒト」という経営資源と捉える場合もあります。

開業すると、ドクター自身が経営者です。良好な経営を実現するためには、「ヒト」という経営資源を上手く活かすことが求められます。スタッフ教育や働きやすい環境づくり、連携先との良好な関係を欠かすことはできません。

とはいえ、ドクターには診療に集中しなければならない一面もあります。そうなると、そういった業務のほか経営方針なども相談できるコンサルタントも「ヒト」という経営資源だと考えられます。信頼できるビジネスパートナーとしてのコンサルティング会社を見つけておくことが非常に大切です。

クリニックの経営資源2：モノ

クリニックにおける「モノ」は、医療機器をはじめとする備品に加え、土地建物といった不動産もすべて含まれます。「モノ」に対しては、投資の費用対効果をしっかり考えることが大切です。

不動産はもちろん、医療機器には高額なものも多くあります。それらをすべて最初から導入する必要はなく、また、購入ではなくリース契約するのも一手です。どういった方法が経営的に有利になるかは専門的な知識も必要なため、アドバイスしてくれるコンサルタントがいると心強いでしょう。

高額な医療機器を導入しても、購入費用とランニングコストを超えるような収入が得られないのであれば、経営を圧迫する要因になります。患者さんのために高性能な医療機器をそろえたいという気持ちはもっともですが、経営面では本当に必要なのかどうか、そういう視点で「モノ」という経営資源を活用しなければなりません。

クリニックの経営資源3：カネ

クリニックの経費・予算をどのように配分して活用していくか、それがクリニックにおける経営資源「カネ」との向き合い方です。開業時にはすべての費用を洗い出し、ドクターが目指すクリニックを実現するための資金調達を検討しなければなりません。

自己資金が潤沢な場合を除き、クリニック開業では金融機関などからの融資を受けるのが一般的です。多額な借り入れは心理的に抵抗を感じるドクターもいらっしゃるでしょう。しかし、開業という一大事業を考えると、金融機関との取引は将来的な信用にもつながります。

もし開業後に経営状況が悪化してしまったら、その時点で融資を依頼するよりも開業時のほうが審査は通りやすいと考えられます。

クリニックの経営資源4：情報

「情報」は目に見えない経営資源です。開業時には診療圏調査や医療連携のネットワークなどの情報を活用しなければなりませんが、ドクター1人の力だけで情報を収集するのは限界があります。医療業界におけるリアルな情報を得るには、さまざまな事情に精通しているコンサルティング会社と協力するのが賢明でしょう。

また、いくら「情報」を集めても、どのように活用できるかは別の話です。もし間違った活用をしてしまうと、求める結果を得ることもできません。それをどう活かすかも、経営のプロであるコンサルティング会社に相談すべきです。大手のコンサルティング会社であれば、広く公開されている情報だけではなく、長年の経験で得られた情報の活用も期待できそうです。

経営資源を活かすために

クリニックの経営する上で、これら「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった経営資源が非常に大切なことがおわかりいただけたと思います。特に開業を成功させるためには、ビジネスパートナーとなるコンサルタントの存在は欠かせません。

安定した経営を目指すにあたっては、信頼できるコンサルタントを探すことから始めてはいかがでしょうか。