クリニック開業コンサルは
有料・無料で違いはある？　

クリニック開業コンサルについて、料金が発生するところとそうでないところについて、それぞれの特徴や仕組みなどを解説していきます。

無料のクリニック開業コンサルについて

無料のコンサルは、おもに次に挙げるような会社によって行われている場合が多いです。コンサルではなく別の事業を本業としている会社が大半です。そのため、社内の専門部署や担当者によって提供されるサービスのような位置づけとなっているのが特徴です。

医薬品の卸売業者やハウスメーカー

医薬品の卸売業者や医療機器メーカー、あるいはハウスメーカーなどが、コンサルに無料で対応しているケースです。いずれの会社も、クリニック開業の際に必要となるサービスや製品を取り扱っているため、原則的にはコンサルを相談するだけでなく、その会社のサービス・製品を引き続き利用することになります。

たとえば、医薬品の卸売業者にとっては、医薬品の卸売先を確保することにつながるわけです。ですから、コンサル料金を無料にしても、充分なメリットを受けられるということになります。

リース会社やレセコン業者

上述のケースと同様に、リース会社やレセコン業者も、別に本業をもつ会社です。無料でコンサルに対応することで、開業時・開業後に必要となるサービスを自社に依頼してもらえる流れになります。「リース料や設備などとまとめてコンサル料を得ている」という言い方もできるでしょう。

医療専門の税理士事務所

医療専門の税理士事務所がコンサルに対応している例も珍しくありません。事務所内に開業支援部門を設けているところもあります。開業後には顧問料として支払いを受け続けることを前提に、開業前には無料でコンサルをおこなっている形になります。

有料のクリニック開業コンサルについて

単体のコンサル会社

コンサル会社は、基本的には「コンサル料」と「業者による紹介手数料」によって利益を上げています。コンサル料金はケースごとにもちろん異なるため一概には言えませんが、ひとつの目安として、200万円から400万円ほどの料金が発生すると考えておくとよいでしょう。開業に際しては、プロジェクトマネージャーのような立場でサポートを提供しています。

調剤薬局系の開業支援サービス

無料でコンサルをおこなっている調剤薬局も一部ありますが、有料にしているところのほうが多いようです。調剤薬局系によるコンサル料も、もちろんケース・バイ・ケースではありますが、ひとつの目安としては、およそ100万円から300万円を見込んでおくとよいでしょう。

参照元：税理士事務所Crave（東京・神奈川・埼玉・千葉）

無料と有料では
どちらの開業コンサルを
選ぶべき？

無料および有料のクリニック開業コンサルについて説明してきました。どちらのコンサルにもそれぞれの良さがあるため、どちらを選ぶべきか、ということを一概に言うことは困難です。

クリニックを開業する際には、幅ひろい分野におけるノウハウ、つまりコンサルが欠かせません。そのコンサルを得る際に、無料の場合には、事実上、その会社が扱っている商材との抱き合わせ販売となっています。また、有料の場合には、コンサルそのものに対する料金ということになるわけです。つまり、有料無料の違いは「どのように支払うか」の違いであるといえます。

クリニック開業コンサルの選び方

同じエリア・診療科での支援実績の有無

開業を予定しているエリアおよび診療科におけるコンサル実績があるかどうか、という点は、クリニック開業コンサルを選択する際のひとつの判断材料となります。そのエリア内の診療圏の人々のニーズについての理解は、クリニック運営における非常に重要な要素になるからです。

コンサルの質

コンサルの知識量が豊富であるかどうか、そしてコンサルの内容の質が充分納得できるものであるかどうかも、大切な判断材料です。コンサルを依頼する会社をはじめからひとつに絞るのではなく、候補を複数選んでおき、実際に担当者とやり取りをして見極めることをおすすめします。

価値観に対する敬意

自分が持っている価値観や医療理念などを、きちんと理解してくれるところを選ぶことも、大切です。クリニック運営を成功させるための方向性を検討する際などにも大切な要素のひとつとなります。