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松原市でクリニックを開業する

松原市のクリニック開業傾向

大阪市に隣接する南河内の住宅都市

松原市は大阪府南河内地域の北西部に位置し、大阪市東住吉区・平野区や堺市などに隣接する住宅都市です。近鉄南大阪線の河内松原駅、高見ノ里駅、布忍駅、河内天美駅があり、大阪阿部野橋方面へのアクセスにも優れています。

特に河内松原駅は市内の主要な交通拠点で、大阪阿部野橋駅まで約10分でアクセスできます。市域は16.66平方キロメートルと比較的コンパクトで、住宅地が市内各地に広がっています。

2026年8月時点で大阪府が公表している最新の市町村別詳細データである「令和5年医療施設調査」によると、松原市には96施設の一般診療所があります。既存クリニックも一定数あるため、新規開業では市全体の人口だけでなく、駅や町丁目単位まで範囲を絞った診療圏調査が重要です。

高齢化が進む一方、75歳以上人口の動向にも注目

松原市では高齢化が進んでいます。市の第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画によると、高齢化率は2016年の28.9%から2022年には30.1%まで上昇しています。

また、65歳以上人口全体は近年緩やかに減少している一方、75歳以上では増加がみられます。市の推計では2026年度の65歳以上人口は34,281人で、このうち75~84歳が15,019人、85歳以上が7,196人となっています。

そのため、高齢化を理由に特定の診療科の需要を一律に判断するのではなく、慢性疾患管理、整形外科・リハビリテーション、在宅医療などの需要を、候補地周辺の年齢構成や既存医療機関と合わせて分析することが重要です。

南河内二次医療圏は「外来医師多数区域」には該当しない

松原市が属する南河内二次医療圏は、大阪府の第8次医療計画において「外来医師多数区域」には位置付けられていません。現在の大阪府外来医療計画では、豊能・堺市・大阪市が外来医師多数区域とされ、南河内は外来医師多数区域以外として扱われています。

ただし、「外来医師多数区域ではない=医師が不足している」「新規開業しやすい」という意味ではありません。松原市内には一般診療所が96施設あるほか、大阪市や堺市など隣接地域のクリニックを利用する住民も想定されます。

大阪府では、一般診療所を新規開設する人に「地域医療への協力に関する意向書」の提出を依頼しています。在宅医療、休日・夜間診療、学校医、予防接種など、地域で必要とされる医療への協力についても検討しておきましょう。

松原市の医療施設数(2026年時点の最新公表データ)

2026年8月時点で確認できる「令和5年医療施設調査」では、松原市の医療施設数は以下の通りです。

従来のページでは一般診療所92施設、病院5施設、歯科診療所63施設としていましたが、現在は市町村間を同じ条件で比較できる令和5年医療施設調査の数値へ統一しています。

クリニックを開業する際には施設数だけを見るのではなく、既存クリニックが標榜している診療科や専門領域、市内病院との役割分担、さらに大阪市・堺市など隣接地域への患者移動も確認することが重要です。

松原市の主な診療科ごとのクリニック数(2026年時点の最新公表データ)

令和5年10月1日現在の「令和5年医療施設調査」によると、松原市の一般診療所が標榜している主な診療科目の施設数は以下の通りです。

なお、上記は一般診療所が標榜する「診療科目延数」です。1つのクリニックが複数の診療科を標榜している場合、それぞれの診療科に計上されるため、診療科別の施設数を合計しても一般診療所96施設とは一致しません。

内科が57施設と最も多く、リハビリテーション科、小児科、整形外科、外科などが続きます。一方、施設数の少ない診療科についても、それだけを理由に「不足している」「開業余地が大きい」と判断することはできません。

診療科によって患者が医療機関を選択する範囲や病院との役割分担が異なるため、候補地周辺の人口構成、競合クリニックの専門領域、隣接自治体の医療機関まで含めた分析を行いましょう。

松原市でクリニックを開業するための準備

開業に必要な許認可と要件

松原市で診療所を開設する場合は、大阪府藤井寺保健所が開設許可・届出などの手続きを担当します。藤井寺保健所は松原市のほか、柏原市、羽曳野市、藤井寺市を管轄しています。

大阪府では診療所の新規開設者向けに手引きや様式を公開しており、必要に応じて所管保健所へ事前相談し、計画内容や書類作成方法について助言・指導を受けるよう案内しています。

診療所開設届・診療所開設許可申請

従来のページでは「開設届が受理されるまでは診療を開始できない」としていましたが、医師個人による診療所開設届は開設後に行う届出です。一方、医療法人など非医師による開設では、事前に開設許可を受ける必要があります。

物件契約や内装工事を進めた後に構造設備上の問題が判明することを防ぐため、開業計画が具体化した段階で藤井寺保健所へ相談しておくとよいでしょう。

保険医療機関指定申請

健康保険を利用した保険診療を行うには、診療所の開設手続きとは別に、近畿厚生局へ「保険医療機関指定申請」を行い、保険医療機関として指定を受ける必要があります。

指定申請には締切日が設定されています。希望する開業日から保険診療を開始できるよう、開業日から逆算して準備しましょう。

地域医療への協力・G-MISへの報告も確認

大阪府では、新たに一般診療所を開設する人へ「地域医療への協力に関する意向書」の提出を依頼しています。医療法上の提出義務ではありませんが、在宅医療、休日・夜間診療、学校医、予防接種など地域医療への協力意向を把握するために活用されています。

また、診療所の各種申請等と合わせて、厚生労働省の医療機関等情報支援システム(G-MIS)による医療機能情報の報告も必要です。

その他必要な届出

診療内容や設備によっては、診療所開設手続き以外にも申請・届出が必要になります。診療用エックス線装置などを設置する場合や、病床・構造設備を変更する場合など、それぞれに必要な手続きを確認しましょう。

クリニックの開業までの流れ

  1. クリニック構想・事業計画の策定
    診療方針や対象患者、提供する医療、経営理念などを明確にして事業計画を作成します。想定患者数や診療単価、固定費を踏まえた収支計画も策定します。
  2. 診療圏調査・物件選定
    河内松原駅、高見ノ里駅、布忍駅、河内天美駅周辺や住宅地などを候補に、人口構成、競合医療機関、交通アクセス、患者の生活動線を調査します。大阪市・堺市など市境を越えた患者移動も考慮しましょう。
  3. 資金調達
    物件取得費、内装工事費、医療機器費、人件費、広告費、運転資金などを積算し、金融機関へ融資を相談します。
  4. 医療機器選定・内装設計
    診療内容に応じた設備を選定し、患者とスタッフ双方が移動しやすい院内動線を設計します。大型医療機器を導入する場合には搬入経路、電源、床荷重なども確認します。
  5. 税理士・社会保険労務士などの選定
    税務・労務を外部へ依頼する場合は、医療機関や医療法人の支援経験がある専門家かどうかも確認しましょう。
  6. 各種申請・届出
    藤井寺保健所への診療所開設手続きや、近畿厚生局への保険医療機関指定申請などを行います。手続きごとの提出期限を整理し、開業日から逆算して準備します。
  7. スタッフ採用・研修・広報活動
    看護師や医療事務など必要な人材を採用し、電子カルテ、予約システム、患者対応などの研修を行います。ホームページや地域への周知など、開業前の集患準備も進めます。
  8. 開業
    設備、人員、行政手続きなどが整ったら診療を開始します。開業後も患者数や患者層、収支などを定期的に確認しながら運営を改善しましょう。

松原市で注目したいエリア

河内松原駅周辺

近鉄南大阪線「河内松原駅」は、市内4駅の中でも利用者が多い松原市の中心的な交通拠点です。大阪阿部野橋駅方面へのアクセスに優れ、駅周辺には商業施設、金融機関、飲食店、住宅などが集まっています。

松原市の都市計画マスタープランでは、河内松原駅周辺を「中心拠点」として位置付け、高次な商業・業務・文化・福祉施設などの都市機能を確保する方針が示されています。

また、市内4駅周辺はバリアフリー重点整備地区となっており、2026年3月にも事業の進捗確認が行われています。高齢者や子育て世帯など幅広い患者が通院しやすい立地を検討する際には、駅からの徒歩動線やバリアフリー環境も確認しましょう。

高見ノ里駅・布忍駅周辺

高見ノ里駅・布忍駅周辺は、松原市の都市計画マスタープランで「地域生活拠点」に位置付けられており、周辺住民の日常生活を支えるサービス機能を確保するエリアとされています。

住宅地が広がるため地域密着型クリニックの候補地として検討できますが、「ファミリー世帯が多い」「高齢者が多い」といった印象だけで診療科を決定することは避けましょう。町別・年齢別人口、既存クリニックの分布、徒歩・自転車・自動車による来院範囲などを確認することが重要です。

また、高見ノ里駅・布忍駅ともにバリアフリー基本構想の重点整備地区に含まれているため、駅周辺の道路や公共施設の整備状況も物件選定時の確認材料になります。

松原市の人口数・将来推計

松原市の人口は減少傾向が続いています。2026年5月1日現在の人口は115,823人、世帯数は59,973世帯です。2020年国勢調査の117,641人と比べても減少しています。

2026年に策定された「松原市第6次総合計画」では、人口減少が将来的にも続いた場合、2030年105,785人、2035年99,164人、2040年92,586人まで減少すると推計しています。

一方、市では若者・子育て世代の移住・定住促進や子育て支援などを進め、人口減少を抑制する目標を設定しています。施策による将来人口の目標は、2030年109,814人、2035年105,670人、2040年102,091人です。

また、高齢者人口については、総人口の減少に対して65歳以上人口の減少幅が比較的小さいことから、長期的には高齢化率が上昇すると考えられます。クリニック開業では、現在の人口だけではなく、10年・15年後の人口規模や年齢構成を踏まえた診療圏設定が重要です。

クリニック開業を成功させるために

松原市は約11.6万人が暮らす大阪市近郊の住宅都市で、96施設の一般診療所と5施設の病院があります。また、市域がコンパクトで大阪市・堺市とも隣接しているため、患者にとっては市境を越えた医療機関も選択肢となります。

そのため、「人口が多いから開業しやすい」「同じ診療科が少ないから需要がある」といった単純な判断ではなく、人口・年齢構成、競合クリニック、病院との役割分担、交通アクセス、市外への患者移動、将来人口などを組み合わせた診療圏調査を行うことが重要です。

河内松原駅周辺の中心拠点と、高見ノ里駅・布忍駅などの地域生活拠点では患者の生活動線や競合状況も異なります。候補地ごとの特性を確認し、長期的に地域から選ばれるクリニックを目指した事業計画を検討しましょう。

クリニック開業を目指すのであれば、開業エリアを検討するための診療圏調査と開業作業に併走してくれる開業コンサルタントが欠かせません。そのため、クリニック開業を考えるのであれば最初に「診療圏調査を無料で提供しているコンサルティング会社数社をピックアップし、問い合わせをすること」が必要になります。信頼できる大阪のコンサル会社を紹介してますので、是非チェックしてみてください。

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