麻酔科は麻酔科という医療機関はないですが、フリーランスの麻酔科医として働けます。また、ペインクリニックを開業するのも選択肢のひとつです。麻酔科医が開業して働く場合のメリットやデメリット、事業計画を考える際のポイントをご紹介します。
勤務医ではない麻酔科医はフリーランスになるか、ペインクリニックを開業するという選択肢があります。麻酔科医は麻酔の知識と技術のみで治療はできません。ただし、手術中には必ず必要な存在です。麻酔科医の存在は大きいため、フリーランスとして活躍できます。
フリーランスだと自分のペースで働けます。勤務医だと深夜や早朝でも緊急事態があれば対応しなければなりません。精神的な負担も大きいです。フリーランスでしっかり計画を立てておけば、無理なく対応できるでしょう。経験を積めば、ペインクリニックの開業も視野に入れられます。
ただし、複数医院で働くため、多くの患者の情報の把握が必要です。幅広い診療科の医師や看護師と連携も不可欠となります。安定して仕事を摺るには、専従医療機関以外の仕事もするため、全国へ出張が求められて落ち着きとは真逆の生活になりがちです。
麻酔科医がフリーランスやペインクリニックで開業する場合、成功と失敗をわけるポイントがあります。1つ目は、同じ施設で3日以上勤務が必要であることです。2018年7月の麻酔科専門資格の更新要件で変更申請が認められたため、こういった制限があります。好きな時に好きな時間だけ働けるというわけではありません。フリーランスという言葉だけにとらわれると、失敗してしまうでしょう。
他にもペインクリニックの大前提として、患者は「痛みを治しに訪れる」というものです。内装が狭く窮屈だとストレスになります。競合やアクセス、他院の分析も必要です。とくに競合がひしめくエリアで新規開業はしないほうがいいでしょう。
開業するにあたって、人員の確保も必要です。医師以外にも2人~3人の看護師が必要となる場合、人件費とともにスムーズに診療できるシステムの構築を作りましょう。麻酔科医が開業して成功するには、失敗する逆を意識した適切な分析と実践が求められます。患者に「行きづらい」と思われないよう、失敗につながる原因とその対策を考えて対応してください。
医師が独立開業する平均年齢は41.3歳といわれています。30代後半~40代中盤にかけて独立を考える方が多く、麻酔科も同様です。ただ、30代後半~40代中盤が適切なタイミングとは限りません。あくまで開業を考える医師が多いだけで、本当のポイントは経験の有無です。
勤務医で多くの経験を積まないと、独立開業しても対応できません。大病院のほうが専門性の高い医療技術を習得できます。人間関係を構築しないと相談できる相手もいないのです。その状態で独立開業しても患者に信頼されません。経験を積んだ、ある程度柔軟に対応できるレベルになったときが開業を考えるタイミングです。
2020年10月時点ドクタービジョン掲載求人によると、麻酔科の年収は1,584万円で、医師全体の年収を考えても遜色ないです。都道府県別で見ると、1番高いのは秋田県の2,150万円、2番目が福島県の2,095万円です。
一方で大都市圏では東京が1,433万円で、神奈川県1,800万円、大阪府1,826万円で大きな差があります。東京と地域では医療資源の充実度が年収にも影響しているようです。麻酔科医やペインクリニックが少ないエリアだと、麻酔科医の年収も高くなる可能性があります。
※2022年11月時点
大阪府では麻酔科がある病院は多くありません。大阪市には2件ある程度で、エリア内にまったくないか1件ある程度です。ただし、大傘付全体ではペインクリニックは14件ありました。東京都だと93件、他の第年である福岡市では23件です。ただ、基本的にはどの県でもペインクリニックは多くありません。フリーランスやペインクリニックの開業を考えるなら、競合が少ない県やエリアを狙うのは悪くないでしょう。
参照元:日本医師会/地域医療情報システム麻酔科としての開業は、少々現実的ではありません。なぜなら、「麻酔だけ」を求める患者がいないからです。麻酔は手術の際に行われるものなので、麻酔科として開業し、患者を呼び込むのではなく自らが手術のある病院に出向くケースが一般的です。それでも開業をと考えるのであれば、ペインクリニックが選択肢の一つとなります。
痛みを緩和することでQOLの向上を目指したペインクリニックは、今後需要が高まることが期待されています。ただし、まだまだ知名度が低く、情報を積極的に取得する若年層から普及していくことが予想されていますので、ペインクリニックとして開業するのであれば駅前や駅近など、アクセスしやすい場所での開業が求められます。ただし、広い場所を必要とする科目ではありませんので、雑居ビルでも十分です。
ペインクリニックとしての開業であれば、内装のコンセプトとしては落ち着いたものがよいでしょう。他のクリニックでは効果がでなかったり、自分の理想の治療が受けられなかった患者が訪れる傾向にありますので、安心感を与える内装がポイントです。患者との対話重視の科目になりますので、秘匿性は重視しましょう。
決して広い医療スペースが求められる科目ではありませんが、他の患者に話を聞かれることに抵抗を持つ患者も多いです。完全個室かつ防音に配慮しましょう。また、広い待合室を確保するのではなく、完全予約制にすることで患者同士が極力顔を合わせなくてよい動線を作ることも望ましいです。幅広い患者を求める場合、バリアフリーも有効ですが、この場合は雑居ビルでは対応できません。
ペインクリニックとして開業する場合、看護師と受付・医療事務スタッフを採用することになります。決して難易度の高いお仕事ではありませんが、ペインスタッフの知名度そのものが低いことから、採用では苦戦が予想されます。他の科目の場合、求職者はある程度仕事をイメージできます。
しかしペインスタッフの場合、「何をするのか」が分からない方が多いので、思う様に求人が集まらないことが予想されます。そのため、採用のためには「ペインクリニックとは」から説明する必要があります。決して敬遠される業務ではありませんので、採用時にはペインクリニックについての説明も行いましょう。それでも採用に苦戦する場合、知り合いや人材紹介会社の利用を視野に入れる必要があります。
麻酔科医として独立するのか、あるいはペインクリニックを軌道に乗せるかでマーケティング戦略は大きく異なります。麻酔科として独立する場合、マーケティングの対象は患者よりも他のクリニックです。どれだけ他の病院から必要とされるかになりますので、個人のホームページを作成したり、あるいは医師登録サイトへの登録等、医療機関に対して自身の存在をアピールすることになります。
一方、ペインクリニックの場合は他のクリニック同様、患者に足を運んでもらうことになりますので、患者を対象にしたマーケティングが大切です。ここでもポイントは「ペインクリニックを理解してもらう」点です。WEBコンテンツにて、何を目的としているのか、何ができるのかといった基本的な点からアピールしましょう。
麻酔科医としての成功事例としては、多くの病院がある場所に住まいを選び、必要とされたときにすぐに出向ける環境を整えることで、多くの病院が麻酔を行う際に声をかけてもらえるようになったとの成功事例があります。
ペインクリニックの成功事例としては、WEBマーケティングや看板広告すべてで「ペインクリニックとは」から説明するよう心がけることで、集患に成功した事例があります。WEBマーケティングでは若年層に働きかけるべくWEBサイトの構築、さらにはリスティング広告を積極的に展開。看板や地元バスのラジオCMといった高齢者向けの広告ではペインクリニックとは何かをアピールすることで集患に成功。安定した収益を獲得しているとの事例が報告されています。
麻酔科医が開業する場合、フリーランスやペインクリニックを開業するという選択肢があります。大規模な設備は不要かもしれませんが、痛みの治療を目的に訪れる患者が過ごしやすい環境にするため、ゆったりとしたスペースが必要です。ペインクリニックを開業するなら8,000万円はかかると考えたほうがいいでしょう。
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