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枚方市でクリニックを開業する

枚方市のクリニック開業傾向

病院・診療所・医療系大学などの医療資源が集積

枚方市は大阪府北東部に位置し、京阪本線を利用して大阪・京都の双方へアクセスしやすい都市です。市内には一般診療所だけでなく、関西医科大学附属病院や市立ひらかた病院をはじめとする病院、医療系大学などがあり、地域医療を支えるさまざまな医療資源が集積しています。

2026年8月時点で大阪府が公表している最新の市町村別詳細データである「令和5年医療施設調査」によると、枚方市には284施設の一般診療所と24施設の病院があります。一般診療所は人口10万人あたり72.4施設です。

また、枚方市には初期救急から二次救急、三次救急までの医療体制が整っています。休日・夜間の軽症患者には枚方休日急病診療所や北河内こども夜間救急センターなどが対応し、二次救急は市内の複数の病院、三次救急は関西医科大学附属病院の高度救命救急センターが担っています。

行政・医療機関・大学などが連携した健康・医療の取り組み

枚方市では、行政だけでなく、市内の病院、医療関係団体、大学などが連携して地域の健康・医療を支える取り組みも行われています。その中心となっているのが「健康医療都市ひらかたコンソーシアム」です。

2026年現在、枚方市と健康・医療に関係する16団体が連携し、市民の健康増進や地域医療の充実に向けた事業を実施しています。2026年3月にも最新の「コンソーシアム通信」が発行されており、認知症の人にやさしいまちづくりなど、現在も継続的な取り組みが行われています。

開業する際にも、こうした地域の医療・保健活動や病院との連携体制を把握しておくことで、地域で求められるクリニックの役割を検討しやすくなるでしょう。

北河内二次医療圏は「外来医師多数区域」には該当しない

枚方市が属する北河内二次医療圏は、現在の大阪府外来医療計画では「外来医師多数区域」には位置付けられていません

ただし、外来医師多数区域ではないからといって、「新規開業医が不足している」「新規参入しやすい」と判断できるわけではありません。枚方市内だけでも284施設の一般診療所があり、駅周辺や住宅地などエリアによって医療機関の分布も異なります。

従来のページでは「新規開業医が受け入れられやすい」「落下傘開業にも向いている」としていましたが、こうした判断には具体的な診療圏調査が必要です。開業候補地の人口構成、競合クリニック、専門領域、交通アクセスなどを確認した上で判断しましょう。

枚方市の主な診療科ごとのクリニック数(2026年時点の最新公表データ)

2026年8月時点で大阪府が公表している最新の市町村別詳細データは、令和5年10月1日現在の「令和5年医療施設調査」です。枚方市の一般診療所について、主な診療科目の施設数は以下の通りです。

なお、上記は一般診療所が標榜する「診療科目延数」です。1つのクリニックが複数の診療科を標榜している場合、それぞれの診療科に計上されるため、診療科別の数を合計しても一般診療所284施設とは一致しません。

内科が158施設と最も多く、小児科、リハビリテーション科、皮膚科、整形外科などが続きます。一方、産婦人科や脳神経外科、形成外科などは施設数が比較的少ないものの、施設数が少ないことだけを理由に「不足している」「新規参入の余地がある」と判断することはできません

病院で提供されている医療や対象となる人口、患者の受診範囲なども診療科によって異なります。開業予定地周辺にある診療所だけでなく、病院を含めた医療提供体制を確認した上で診療科や診療内容を検討しましょう。

枚方市でクリニックを開業するための準備

開業に必要な許認可と要件

枚方市では、診療所を新規開設する人に向けて、医師・歯科医師が個人名義で開設する場合と、医療法人などが法人名義で開設する場合に分けた「開設用手引き」を公開しています。2026年4月にも診療所関係様式のページが更新されているため、開業時には最新の手引きと様式を確認しましょう。

なお、枚方市保健所は2025年7月7日に禁野本町2丁目13番13号へ移転しています。診療所の新規開設について相談・手続きを行う場合は、現在の所在地を確認しておきましょう。

診療所開設届・診療所開設許可申請

従来のページでは「開設届が受理されないと診療できないため、開設前に提出する」としていましたが、医師・歯科医師が個人で開設する場合の開設届は開設後に行う届出です。一方、医療法人などによる開設では事前に開設許可を受ける必要があります。

枚方市では、相談や手続きのため保健所へ来所する場合は事前予約するよう案内しています。物件や内装計画が固まった段階で保健所へ相談し、開業までに必要となる手続きを整理しておくとよいでしょう。

保険医療機関指定申請

健康保険を利用した保険診療を行うには、診療所の開設手続きとは別に、近畿厚生局へ「保険医療機関指定申請」を行い、保険医療機関として指定を受ける必要があります。

申請時期によっては希望する開業日から保険診療を開始できない場合があるため、近畿厚生局が定める申請締切を確認し、開業日から逆算して準備しましょう。

地域医療への協力に関する意向書

大阪府では、新しく一般診療所を開設する人に対して「地域医療への協力に関する意向書」の提出を依頼しています。枚方市の診療所関係様式ページでも、この意向書について案内されています。

意向書の提出は医療法上の義務ではありませんが、在宅医療、休日・夜間診療、学校医、予防接種など、地域で必要とされる医療への協力意向を把握するために活用されています。

オンライン診療や設備に応じた手続きも確認

枚方市の現在の診療所関係様式には、「オンライン診療に係るチェックリスト」も掲載されています。オンライン診療を行う予定がある場合は、開設時の必要書類と合わせて確認しましょう。

また、病床の設置や構造設備の変更、診療用エックス線装置などの設置を行う場合には、別途許可申請や届出が必要になることがあります。診療内容や設備に応じて必要な手続きを事前に整理することが大切です。

クリニックの開業までの流れ

これからクリニックを開業する際の大まかな流れをご紹介します。

  1. クリニックの方向性・事業計画を策定する
    どのような患者を対象とし、どのような医療を提供するのかを明確にします。経営理念や診療方針だけでなく、想定患者数や診療単価、固定費などを踏まえた収支計画も作成しましょう。
  2. 診療圏調査・物件の選定
    人口、年齢構成、競合医療機関、交通アクセス、住宅開発などを調査して開業候補地を比較します。従来のページでは「商業圏の分析」としていましたが、クリニック開業では「診療圏調査」として患者の受診行動まで考慮して分析することが重要です。
  3. 資金調達
    物件取得費、内装工事費、医療機器費、人件費、広告費、運転資金などを積算し、必要な開業資金を算出します。その上で金融機関へ融資を相談します。
  4. 医療機器・内装レイアウトを決定する
    診療内容に応じた医療機器を選定し、患者とスタッフ双方の動線を考慮して内装を設計します。大型機器を導入する場合には、搬入経路や電源、床荷重なども確認しましょう。
  5. 税理士・社会保険労務士などを選定する
    税務や労務を外部へ依頼する場合は、医療機関や医療法人の支援経験なども確認して専門家を選びます。
  6. 各種申請・届出を行う
    枚方市保健所への診療所開設手続きや、近畿厚生局への保険医療機関指定申請などを進めます。必要な手続きと締切を整理し、開業日から逆算して対応しましょう。
  7. スタッフ採用・研修・集患準備
    看護師や医療事務など必要な人材を採用し、電子カルテや予約システム、患者対応などについて研修します。ホームページや地域への周知など、開業前の集患準備も進めます。
  8. 開業
    設備、人員、行政手続きなどの準備が整ったら診療を開始します。開業後も患者数や患者層、収支などを確認しながら運営方法を改善していきましょう。

枚方市の人口数・推移予測

枚方市の人口は、2026年8月1日現在で389,611人、世帯数は189,122世帯です。枚方市によると人口は2009年をピークに微減傾向が続いています。

2026年8月18日に公表された最新の「枚方市将来人口推計調査」では、2026年5月1日の住民基本台帳人口を基準として、2036年までの10年間で約16,000人、2056年までの30年間で約75,600人減少すると予測されています。また、市内を7地域に分けた地域別推計でも、すべての地域で人口減少が見込まれています。

年齢構成も大きく変化する見込みです。65歳以上の人口割合は2026年の29.3%から、2036年には35.8%、2056年には44.3%まで上昇すると予測されています。一方、0~14歳の割合は2026年の11.3%から2036年には9.0%、2056年には7.9%へ低下する見込みです。

そのため、枚方市でクリニックの開業を検討する場合には、現在の人口だけでなく、高齢化の進行や年少人口の減少、地域別の人口変化を踏まえて長期的な医療需要を分析することが重要です。特に開業後10年、20年と診療を続けることを考え、将来の患者構成まで想定した事業計画を検討しましょう。

枚方市のクリニックモールやクリニックビルの事例

なぎさクリニックモール

京阪本線「御殿山駅」から徒歩3分の場所にある「なぎさクリニックモール」。駅からアクセスしやすい住宅地に位置し、2026年時点でも公式サイトが公開されています。

精神科・心療内科、整形外科、内科・外科、小児科など複数の診療科が同じ場所で診療しており、地域住民が症状に応じて医療機関を利用できる医療モールとなっています。

枚方クリニックプラザ

市立ひらかた病院の東側にある「枚方クリニックプラザ」。従来のページでは所在地を「宮北町1-15」としていましたが、正しくは「中宮北町1-15」です。

2026年時点では、小児科・アレルギー科の「なかせこどもクリニック」、皮膚科の「皮ふ科クリニックふさ」、内科・整形外科や訪問診療などに対応する「桜の丘ファミリークリニック」が同施設内で診療しています。

また、運営会社の公式情報では2026年時点でも「現在募集中」と案内されており、クリニック向けの募集区画が掲載されています。

京阪くずはメディケアモール

京阪本線「樟葉駅」から徒歩3分の場所にある「京阪くずはメディケアモール」。2026年時点でも複数の専門クリニックが診療しており、専用駐車場も設けられています。

整形外科、内科、画像診断、耳鼻咽喉科、小児科、脳神経内科、皮膚科、歯科など幅広い診療科が集まっている点が特徴です。MRI・CT・マンモグラフィによる画像診断を行うクリニックも入居しています。

クリニック開業を成功させるために

枚方市には約39万人が暮らし、284施設の一般診療所に加えて24施設の病院があり、初期救急から高度救命救急までの医療体制も整っています。医療環境が充実している一方で、新規開業時には既存の診療所や病院との役割分担を考える必要があります。

また、2026年に公表された最新の人口推計では、今後30年間で人口減少と高齢化が大きく進むことが予測されています。現在の患者数だけではなく、10年後・20年後の年齢構成や地域人口の変化まで考慮することが、長期的なクリニック経営では重要です。

開業を検討する際には、人口、年齢構成、競合クリニック、病院との連携、交通アクセス、住宅開発、将来人口などを組み合わせた診療圏調査を行い、地域に適した診療内容と事業計画を検討しましょう。

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