和泉市でクリニックを開業する

和泉市のクリニック開業傾向

健康都市計画を掲げるまち

和泉市が保健・医療の分野で掲げるテーマは「健康都市いずみ」。市民が自分らしく、住み慣れた地域で生き生きと暮らせることを実感できるまち、その実現を目指しています。現在の第3次計画の基本目標は「健康寿命の延伸」となっており、市民を中心として地域、団体、行政が力を合わせて計画を推進していくというスタイルが取られているようです。

生活習慣病の発症・重症化の予防に力を入れる

前述の基本目標を達成するための方針として、和泉市では生活習慣病の発症予防と重症化予防に力を入れています。市民の意識も高まりつつあるようなので、和泉市でクリニック開業を考える際には、生活習慣病への対策なども診療体制の検討材料にしてはどうでしょうか。予防医療の分野も将来的にも高いニーズが見込まれると思われます。

和泉市の主な診療科ごとのクリニック数（令和3年現在）

• 内科：64
• 小児科：22
• リハビリテーション科：17
• 精神科：11
• 眼科：11
• 整形外科：10
• 外科：9
• 皮膚科：8
• 耳鼻咽喉科：7
• 麻酔科：4
• 放射線科：2
• 産科婦人科：2
• 形成外科：1
• 脳神経外科：1

診療科で見ると内科が多く、次いで小児科、リハビリテーション科という順に多くなっています。逆に標榜しているのが1～2カ所しかない診療科もあり、そういった分野は病院が広くカバーしていることが伺えます。開業を検討する場合の診療圏調査では、クリニックだけではなく病院の受療動向もしっかり把握しなければなりません。競合先となるのか、それとも頼りになる連携先となるのか、開業後の経営に直結する問題だけに慎重に検討すべきです。

和泉市でクリニックを開業するための準備

開業に必要な許認可と要件

クリニックを開業する際には、さまざまな申請や届出が必要となります。大阪府にて「診療所開設の手引き」が用意されていますので、手続きについては大阪府のホームページを参照してみると良いでしょう。

開設届

まず、診療所として診療行為を可能にするための「開設届」を提出します。開設後10日以内に届出を行うことが定められているものの、開業後に提出した場合には受理されるまで診療行為が行えません。そのため、開設届は事前相談の上で早いタイミングでの提出が必要です。また、医師が開業する場合と非医師が開業する場合には使用する書類が異なる点にも注意しましょう。

さらに非医師が開業する場合には、「診療所開設許可申請書」の提出が必要になります。こちらも保健所に提出する申請書となっていますが、事前に提出する必要があります。こちらの申請を行う場合には手数料が18,000円必要となり、保健所の窓口にて現金納付を行います。

保険医療機関の指定申請

また、保険診療を行うためには保険医療機関の指定申請を行う必要があります。この申請を行わないと保険診療を行うことができませんので注意が必要です。また、こちらの申請については提出してから受理まで時間がかかることもあります。提出が遅れてしまうとその分保険診療を開始できるタイミングが遅れることになるため、注意が必要です。

その他の申請

クリニックを開業する際には非常に多くの書類を提出する必要があります。診療科目や従業員数などによって提出するものが異なってきますので、どのような手続きが必要なのかといった点をあらかじめ確認し、スケジュールに合わせた形で対応していくことが必要となってきます。

クリニックの開業までの流れ

続いて、クリニック開業までの大まかな流れについて確認しておきましょう。

1. クリニックの方向性などを検討する
   はじめに、「どのようなクリニックにするか」といった点を検討します。経営理念や方向性、事業計画について考えていきましょう。
2. 開業する場所・物件を選定する
   どこでクリニックを開業するか、という点を調査により絞り込んでいきます。人口や競合、立地などさまざまな方面から検討を行い、エリアを決めていきましょう。エリアが決まったら物件の選定を行います。
3. 資金の調達を行う
   事業計画をもとにして必要な資金を確認したら、金融機関に融資の相談を行います。ただし、金融機関によって融資条件が異なりますので複数の銀行に相談して検討を行うようにしましょう。
4. 医療機器を選定する
   診療などに使用する医療機器を選定します。機能やサイズ、操作性などさまざまな点から検討をして選びましょう。また、レイアウトと一緒に考えると、クリニック内で効率的に動ける動線を作り出せます。
5. 税理士・社会保険労務士の選定・契約
   選定を行う際には医療機関での税務経験の有無を確認するなど、医療業界に関する知識を持っているかどうかを確認してみると良いでしょう。
6. 各種申請を行う
   開業に向けて必要な申請や届出を行っていきます。上記でもご紹介していますがクリニックの開業時には非常に多くの申請や届出が必要になりますので、漏れのないように対応しましょう。
7. スタッフの採用・宣伝広告を行う
   クリニックで働くスタッフの採用を行います。また、ホームページを作成するなど集客に向けた動きも必要になります。
8. 開業
   準備が整い、開業日を迎えるといよいよ開業となります。

和泉市の人口・推移予測

和泉市ではこの10年の再開発や大型商業施設のオープンなどによって着実に発展し、人口も増加傾向にありました。しかし、近年の人口は横ばいから減少傾向に転じつつあり、他の自治体と同様に和泉市にも本格的な少子高齢化、人口減少社会の波が確実に迫っています。現在は府内の市町村と比べて若い世代の人口比率が高いのですが、将来的には府内でもっとも高齢者の増加率が高くなると予測されています。

和泉市のクリニックモールやクリニックビルの事例

ららぽーと和泉内クリニックモール

連日数万人が訪れる大型ショッピングモールに開設された「ららぽーと和泉内クリニックモール」。内装造作付き渡しが可能な物件もあり、初期投資を抑えたクリニック開業を検討しているドクターにもおすすめです。

• 所在地：大阪府和泉市あゆみ野4
• 診療科目：内科、消化器内科、眼科

Pivot和泉中央クリニックモール

地元住民に長く親しまれているショッピングモールの2階フロアに展開する「Pivot和泉中央クリニックモール」。アクセス性の高さもあり、買い物ついでに通院しやすいことでも評判を集めています。

• 所在地：大阪府和泉市いぶき野5-1-2
• 診療科目：皮膚科、内科、呼吸器科、整形外科、婦人科

クリニック開業を成功させるために

クリニックの開業を成功させるために必要な要素はいくつもありますが、その中でも重要なのは市場性の調査、つまり開業予定地における医療ニーズを確実に把握できるかどうかです。

開業を検討する際には、何よりもまず綿密な診療圏調査を行ないましょう。そのためには、開業準備から開業後の経営まで何でも相談に乗ってくれる、ビジネスパートナーのような開業コンサルタントの存在が大切です。