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皮膚科を開業する

皮膚科を開業するメリット・デメリット

最近開業する皮膚科クリニックは、保険診療だけではなく、美容皮膚科などの自由診療のメニューも併せて展開するケースが増えています。

保険診療であればお子さんや慢性疾患の患者さんが多く、自由診療であれば女性の患者さん、特に若い世代から中年にかけての年代がターゲットになるようです。

保険診療にしても自由診療にしても、肌のトラブルや美容面での悩みを抱えている患者さんは増えているので、これからも皮膚科はニーズが高い診療科だといえるでしょう。

その反面、皮膚科はあらゆる診療科の中でももっとも診療単価が低いといわれています。

他の診療科よりも多くの患者さんを診なければ、経営的に厳しくなります。投資額にもよりますが、保険診療メインであれば少なくとも1日60人くらいの患者さんを確保したいところです。

限られた診療時間において数をこなさなければならないので、ゆっくり患者さんと向き合いたいと願って開業したドクターは、厳しい現実に直面する可能性があります。

成功する開業と失敗する開業のポイント

皮膚科の病気の多くは繰り返し受診する必要があるため、通いやすいことが大きなポイントになります。駅周辺やオフィス街などの好立地が成功条件のひとつになるでしょう。

また、皮膚科は季節変動が大きく、夏が繁忙期になります。形成外科やアレルギー科など皮膚科と親和性の高い診療科を併設すれば、季節を問わず多くの患者さんを受け入れられるでしょう。

一方、開業時の過剰投資は失敗のもとです。特に美容系の医療機器は高額なものが多いので、患者さんがつかないうちは収入が追いつかず、支払いに苦しむケースもあるようです。

皮膚科開業のタイミング

これまで大学医局に在籍していたドクターであれば、人事異動の時期である春先や秋口に開業するケースが多いようです。

しかし、前述のとおり皮膚科は季節変動が大きい診療科です。

保険診療であれば夏場が汗疹(あせも)や白癬(水虫)などが増えるので繁忙期となり、冬場は落ち着いてきます。

そうしたニーズを踏まえて開業のタイミングを計れば、最初から多くの患者さんを獲得できるでしょう。

開業資金や年収の情報

一般的なテナント開業資金のサンプル

一般的な年収

一般的な皮膚科のクリニックをテナント開業する場合、約7,300万円の開業資金が必要になります。

ただし、皮膚科は自由診療の分野にどれだけ力を入れるかによって医療機器の構成や内装の雰囲気も異なり、初期投資額も大きく変動します

年収に関しては、一般的な皮膚科開業医の平均が約2,700万円といわれています。

こちらも開業資金と同じく、自由診療をどこまで手がけるかによって大きく変わります。美容皮膚科の集患に成功すれば、それに伴って年収も増えていくでしょう。

代表的な大阪府内の市での開業件数(皮膚科標榜クリニック数)

大阪府内における皮膚科を開業するクリニックは、内科や外科、小児科といったメジャーな診療科に次いで多くなっています。

競合先が多いので、新規開業を成功させるためには綿密な診療圏調査を実施して、ニーズをしっかり把握する必要があります。

こういった開業準備に伴う作業は、ドクターだけでは困難でしょう。

開業支援から開業後の経営まで手厚くサポートしてくれる、ビジネスパートナーというべき開業コンサルタントを選ぶことが重要です。

参照元:日本医師会/地域医療情報システム

皮膚科の雇用について

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/dl/kekka-1.pdf)では、2018年における皮膚科医数は5,732人でした。医師数全体は男性の割合が多いですが、皮膚科医の男女内訳は、男性が3,189人、女性は2,543人です。大きな男女差がないのは特徴と言えるでしょう。

皮膚科を受診する患者は、女性の割合が多いです。美容診療のニーズも高く、保険診療だけではなく自由診療も提供することで年収はアップ。保険診療を中心にする場合は、効率良く診察する必要があります。

皮膚科の開業のポイント

立地

皮膚科の立地は皮膚科の方向性によって大きく異なります。保険診療メインの皮膚科の場合、多くの患者を相手にすることになりますが、患者の多くは「通える範囲で信頼できる皮膚科」を選びます。わざわざ遠方から時間をかけてまで通う患者はいませんので住宅地でも問題ありませんが、 多くの患者を相手にするので広い待合室 を確保した方が良いでしょう。

一方、美容皮膚科の場合は遠方から訪れる患者ばかりとなります。WEBサイト、口コミ等を見て遠くから通う患者が珍しくありませんが、アクセスもある程度判断材料にされますので、ターミナル駅等、アクセスしやすい駅から徒歩で通院できる位置が理想です。駅から遠い場合、「駅から歩く」「駅からが面倒」だと敬遠されてしまう傾向にあります。

内装

こちらも保険診療をメインに行うのか、あるいは美容皮膚科とするかでコンセプトは大きく異なります。保険診療メインで行うのであれば安心感や清潔感のある内装が求められます。また、レントゲンや検査室も不要となりますので、待合室さえ確保できれば30平米からでも開業できるほど。ただし水虫のように患者が他人に聞かれたくない症状もありますので、防音に気を付けたり、待合室にはBGMを流す設備 があるとよいでしょう。

一方、美容皮膚科の場合は予約制かつ個室前提となるので待合室は不要。一人待機できる程度の椅子で十分ですが、検査室が必要になります。また、パウダールームも「鏡とお手洗いがある」だけではなく、ドライヤーやスキンケア用品を用意した方がアピールとなります。

採用

保険診療の皮膚科の場合、他の保険診療科目同様、必要に応じて医療事務や看護師の採用となります。美容皮膚科の場合、クリニックの規模によっては複数の医師を雇用する必要も出てくることでしょう。特別人気のある診療科目ではありませんのでスタッフの確保のためには多少工夫が必要です。

例えば美容皮膚科の場合、福利厚生の一環としてスタッフへの施術を行うと求人の応募が増える傾向にあります。スタッフの確保に苦戦している場合には、福利厚生を見直してみるのも良いでしょう。また、人材紹介会社の利用も視野にいれるなど、必要スタッフの確保を急ぎましょう。

マーケティング

こちらも保険診療の皮膚科と自由診療の美容皮膚科によって異なります。保険診療の皮膚科であれば、まずは「知ってもらう」ことが大切なのでWEBだけではなく、アナログな広告も有効です。駅や商業施設の看板、地元バス等の車内広告、折込チラシも十分な広告効果を期待できます。一方、自由診療の美容皮膚科の場合、WEBマーケティングが必須です。

WEBサイトを充実させるだけではなく、SNSへの積極的な広告出稿、口コミへの応対も訴求力があります。特に口コミは影響力が大きいです。良い口コミが増えることで大きな宣伝効果をもたらしますし、悪い口コミが付けられてしまった場合も真摯に応対することで、「信頼できる皮膚科」「患者と真摯に向き合う皮膚科」のイメージを与えることで、将来の患者獲得につながる可能性があります。

成功事例

皮膚科の成功事例として、まず挙げられるのが立地です。多くの人が集まる都心の駅近くのビルにて開業したところ、連日多くの患者が足を運ぶようになったとのこと。また、WEBマーケティングに力を入れ、サイトで細かい説明を行ったことで患者が増えた事例もあれば、皮膚科だけではなく内科も標榜することで診察範囲を拡大させ、より多くの患者の受け入れに成功した事例もあります。

特に内科との組み合わせは皮膚科と相性が良いです。皮膚科は夏が繁忙期とされており、内科は秋から冬が繁忙期とされています。繁忙期の異なる診療科目を組み合わせることで、常に多くの患者に足を運んでもらえると共に繁忙期に合わせて人を増やすのではなく、常に適正な人員配置を行えることから人件費の無駄の軽減・圧縮に繋がったとのことです。

まとめ

皮膚科は、男性の人数が多い医師業の中でも、専門医の人数に男女差があまりないのが特徴です。皮膚科医に女性が多い理由のひとつに、女性患者が多いことが挙げられます。皮膚科で開業する際は、女性患者から良い評価を受けられるよう意識することが大切です。

美容診療に対応するかどうかを決めることが皮膚科開業の第一歩。立地や内装、揃えるべき医療機器や備品、スタッフの質など、美容診療の有無によって大きく異なります。美容診療がある場合は、都市部の駅からアクセスの良い場所で高級感のある内装、最新機器などが必要です。保険診療を中心にする場合は、多くの患者をさばけるように、広い待合室を用意すると良いでしょう。どちらにしても、立地はとても重要なポイント。どの層を集患するか検討し、開業場所を決めてください。

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