大阪府のクリニックの数はゆうに8,000施設を超え、人口10万人あたりのクリニック数は全国平均を大きく上回っています。これは医療施設の数としてはかなり充実の傾向にあるといっていいでしょう。
特に大阪市などクリニックが集中しているエリアで開業するとなると、強みや特色を前面に打ち出して競争に生き残っていかなければなりません。そのため、開業を検討するドクターは医師が不足しているエリアや診療科に偏りがあるエリアなど、適切な戦略に基づく事業計画が必要になります。それでは、都市別のクリニック開業事情をみていきましょう。
近畿地方における経済や交通の中心地である大阪市。医療面でも西日本の中核として高度急性期医療から慢性期医療、クリニックまで多数の医療機関を抱えています。その数は全国規模で見てもトップクラスで、人口10万人あたりのクリニック数は120以上。人口10万人あたりの医師数も大阪府内で群を抜いています。開業医にも人気の大都市だということをデータも表しているといえるでしょう。
大阪府内では大阪市に次ぐ人口と面積を擁する堺市。アクセス性の高さから商業エリアには百貨店や商店街が軒を連ね、多くの人たちが訪れにぎわいを見せます。また、大阪市のベッドタウンとしても機能しています。市内のクリニックの数は約700施設に上り、人口10万人あたりで換算すると80施設以上となります。大阪市には及びませんが、全国規模で見ると医療資源が豊富な都市だといえます。
豊中市は過去10年間で65歳以上の人口割合が増加傾向にあり、地域住民が健康や医療に関して気軽に相談できるクリニックの存在が重要視されています。また、高齢者の医療ニーズが増えても病院のベッド数には上限があるので、在宅医療の需要も増えていくことも予想されます。開業にあたっては、在宅医療も視野に入れた事業展開も検討する価値があるでしょう。
計画的に整備されたニュータウンや歴史ある旧市街地、商業機能が集約された地域など、さまざまなエリアが調和の中でまとまっている吹田市。大阪市や新大阪駅、大阪国際空港などへのアクセスも良好で、ベッドタウンとしても住みやすい都市です。他の自治体と同様に高齢化も問題となっており、医療ニーズも高いことから新規のクリニックモールも次々に開設されています。
大阪駅からも京都駅からもアクセスがよく、住みやすい街として評判の高槻市。市内には全国平均以上の乳幼児人口を擁するエリアもあり、診療科によっては開業後の将来性が高く、ドクターにとって魅力的な街だといえそうです。大規模な総合病院も多く、クリニックはそうした医療機関との連携を緊密にすることで、自らの医療機能をさらに充実させることも可能です。
枚方市はクリニックの多さに加えて公的医療機関や医療系大学もあり、ひと言でいえば医療資源が豊かな都市です。住民の健康意識も高いので、エリアの医療ニーズをしっかり把握することで開業医も受け入れられやすい風土だと思われます。新規クリニックモールも多く、大型のマンションが立ち並ぶエリアという屈指の好立地モールなど、開業を検討する場合には是非注目したい物件もあるようです。
和泉市は「健康都市いずみ」をスローガンに掲げ、健康寿命の延伸を目標に市民を中心としたさまざまな取り組みを行なっています。特に生活習慣病の発症予防と重症化予防に力を入れており、市民の意識も高まりつつあるので、クリニック開業を考える際にはそういった部分も検討材料にするのがおすすめです。予防医療の分野も将来的にも高いニーズが見込まれます。
中河内医療圏に位置する東大阪市は、市民の高齢化については全国平均を上回るスピードで進行しています。したがって、加齢によって発症・進行する呼吸器疾患や循環器疾患の医療ニーズが増加してくることが予想されます。クリニック開業を検討する際は、そうした高齢者の医療ニーズに応えられるような体制づくりが必要でしょう。それが有利な経営への近道かもしれません。
茨木駅や茨木市駅を中心とした市街地エリアと住宅地の広がる郊外エリアがあり、エリアの特性を押さえたうえで開業地を検討する必要があります。また、中心市街地の近くには、ライフサイエンス分野の研究・開発を行う施設が集結する彩都ライフサイエンスパークも存在。研究・開発機関と連携しやすい環境が整っています。
八尾市には賑わいを見せる西部エリアや住宅街の中部エリア、生駒山地がそびえ立つ奈良県との県境の自然豊かな東部エリアがあります。エリアごとに特徴が異なるため、クリニックを開業する場合は環境の違いを考えて土地を選ぶようにしましょう。
人口20万人以上の中核市で、大阪都心部へのアクセスが良好で大阪市郊外のベッドタウンとして発展してきた寝屋川市。都会と田舎のバランスの良さが魅力です。居住地として人気があるため、地域のかかりつけ医となることも可能でしょう。
人口は約13万人強で、大阪中心部までのアクセスの利便性も高い箕面市。現在は子育て支援や教育施設などのバックアップに注力しており、小児科と産婦人科などの医療ニーズが期待できます。
全国平均や大阪府の平均と比べて比較的医療施設が整っている傾向にある守口市。今後は65歳以上の人口割合が増加すると予想されており、在宅医療や介護医療などのニーズが増えると予想できます。
婦人科や皮膚科の医療施設数において、大阪府の平均よりも3~4割ほど低い岸和田市。また65歳以上人口の割合も増加傾向にあるため、在宅医療・介護医療のニーズも高まると予想されています。
人口推移として高齢者割合が増加している貝塚市。在宅医療・介護医療のニーズだけでなく、地域住人にとって通いやすい立地での受診環境が求められ、地域に根差した医療提供が年々高まっていくことが想定されます。
子育て・教育に関する支援が整っており、子育て世代に人気のあるエリアです。吹田市と連携して複合医療産業拠点への取り組みを推進しており、医療設備の整った施設と連携した開業が期待できます。
池田市における人口10万人あたりの診療所数は全国平均よりも多いことから、医療施設が充実している傾向がある地域であるといえるでしょう。中でも特に内科系の診療所が多く、次いで外科系診療所の数が多いという状況となっています。
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