クリニックを開業した際、電子カルテやレセコンは必須なのでしょうか。ここでは、電子カルテやレセコンの導入メリットや注意点を紹介します。
クリニック開業時、近年では電子カルテを導入するクリニックが増えています。電子カルテを導入すると、紙のカルテで必要だった保管スペースが不要になるだけでなく、レセコンとの連動により会計などに要する時間が短縮されるというメリットがあります。2019年の矢野経済研究所の調査では、新規開業クリニックの95%が電子カルテを導入しているという結果が得られました。
電子カルテといえば、これまでクリニック内にシステム一式を設置するオンプレミス型が主流でした。しかし、最近ではクラウド上にデータを保管するクラウド型も増えています。
長い歴史があるクリニックほど、現在も紙のカルテを使用しているところもありますが、新しく設立されたクリニックでは電子カルテの導入が進んでいます。例えば患者さんを大きな病院に紹介するとき、過去の診療記録を紹介状に添付します。このとき、電子カルテであればすぐにデータを用意できるのがメリットです。
また、電子カルテは単体で使えるシステムですが、レセコンと連携して使ったり最初からレセコン機能を有していたりするものもあります。両システムを連携することで、受付から診察、会計までの院内業務をペーパーレス化した効率的な処理が可能です。
紙カルテは探し出すのに手間がかかり、患者さんの待ち時間も長くなりがちです。電子カルテならシステム上にデータが保管されているためすぐ検索でき、業務効率の向上が期待できます。
また、電子データは管理の手間もかかりません。保管に場所をとらないので、通路やスタッフルームを広くするなどスペースの有効活用が可能です。
検査結果や診断画像をシステムに取り込むことで、患者情報を一元管理することができます。スタッフはいつでも情報にアクセスできるためスタッフ間で情報共有ができ、診療の質的向上に寄与します。
また、場所を問わずカルテ情報を参照できるため、訪問診療などで活用しやすいです。
既存のクリニックで電子カルテを導入する際、これまで使用してきた紙のカルテの情報をすべてデータ化しなければいけません。移行作業に時間と手間がかかり、実際に稼働するまでには長い時間を要する可能性があります。
クリニックが保険診療を行って診療報酬を受け取るためには、審査支払機関にレセプト(診療報酬明細書)を提出しなければなりません。勤務医時代は診察だけしていれば問題なかったかもしれませんが、クリニックを開業したら毎月レセプトをまとめて診療報酬を請求する必要が出てきます。
ここで必要となるのが、レセプトコンピュータ(レセコン)です。レセコンでレセプトを作成し、電子データとしてオンラインや電子媒体によって支払機関に提出します。2015年4月の診療分から、一部の例外を除いて電子レセプトによる請求が義務付けられています。
レセコンを導入することで、レセプト業務をはじめとしたさまざまな業務を効率的に進められます。患者情報を登録しておけば、会計など窓口業務もスムーズに進められるでしょう。
患者さんの待ち時間が短くなり、回転率があがるだけでなく顧客満足度の向上も期待できます。また、スタッフの業務の負担も軽減されます。結果的に、職場の雰囲気改善にも役立つでしょう。
人の手でデータを処理していると、どうしても入力ミスや入力漏れが発生してしまいます。レセコンを導入すれば、速やかに情報を修正することが可能です。
記入データのチェック機能が備わったレセコンならば、入力中の段階でデータが正しいか自動的にチェックしてくれます。入力ミスなどによる書類の差し戻しが減り、トラブル防止が期待できるでしょう。
レセコンは業務効率化などに役立ちますが、一方導入や維持にコストがかかります。メーカーやタイプによって相場は異なりますが、一般的にハードやソフト一式を含めた導入費用の目安は数百万円、保守費用の目安は毎月数万円程度といわれています。
さまざまな機能を搭載している高性能タイプを導入する場合は、さらにコストがかかります。レセコンを導入する際は、十分に使いこなせるタイプのものを選びましょう。
レセコンの操作はそれほど難しくはありません。使い方を押さえておけば、業務の効率化が期待できます。しかし、導入したばかりの時期だと思うように操作や入力ができず、却って時間がかかる場合もあるでしょう。
電子機器の操作に苦手意識がある人だと、操作方法を理解するまでに時間がかかる可能性があります。場合によっては、操作にかんする社内教育を行うことも考えておきましょう。
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