クリニック開業時のマイナ保険証の対策について、導入時に注意するべきことや導入の流れなどをまとめました。
ずっと使用されてきた紙の保険証の長い歴史に幕をとじ、マイナ保険証に一本化されることになりました。医療のデジタル化が加速する中、マイナ保険証への完全移行は医療のDX化に向けた第一歩ともいえます。
マイナ保険証を導入することで、事務業務の効率化が期待できます。従来の健康保険証で受診する際、健康保険の情報を書き写したり手入力したりする作業が必要でした。マイナ保険証の利用により、オンラインでデータを取得することが可能となります。受付時の保険証情報の手入力が不要になるため、保険証確認時間の短縮になるだけでなくミスの削減にもつながるでしょう。
また、これまでは無効になっている保険証に気付けないことがあり、正しい請求ができずに電話や手紙で患者に問い合わす作業に多くの労力を割いていました。マイナ保険証を利用することで直近の医療保険情報を確認できるため、正しい請求を行うことができ事務作業も効率化されます。
マイナ保険証では、ICチップから読み取った情報と顔写真を照合して自動で本人確認ができます。加入している健康保険の内容と本人確認を非接触で行えるため、受付の業務効率化につながります。また、なりすまし受診や保険証の不正利用も防ぐことができるでしょう。
また、1ヶ月間に同じ医療機関でかかった医療費のうち一定の限度額以上は高額療養費制度が利用できますが、その高額療養費の手続きも簡単になります。限度額以上の一時支払いが不要となり、一時的な出費をなくすことが可能です。
保険証の記号番号やマイナンバーカードのICチップを使用することで、患者の保険資格を瞬時に確認できるようになります。従来の方法では、保険資格が喪失していたり、保険者が変更されていた場合、その情報に気づけるのはレセプトが返戻されて初めて、というケースが少なくありませんでした。しかし、オンライン資格確認を導入することで、受付担当者が診療前に正確な資格情報を確認でき、適切なレセプトを作成することが可能。レセプト返戻の件数を削減する効果が期待できます。レセプト返戻が減少することで、医療機関にとっては事務作業の負担が軽減されるだけでなく、支払基金においても処理の効率化が図れます。医療現場全体の業務が円滑に進むようになり、医療DXの基盤形成も進めやすくなるでしょう。また、受付業務の効率化は、スタッフの負担軽減や患者対応の質向上にもつながります。
マイナ保険証を確認するときには、外部ネットワークへの接続が必要です。院内外のネットワーク環境が整っている場合でも、マイナ保険証のオンライン資格確認を行えるネットワークでなければ意味がありません。
もしネットワークが構築できていない場合、すぐにネットワークシステム構築・整備をはじめましょう。必要なネットワークは、IP-VPN接続方式かIPsec+IKE接続方式です。どちらにも該当しない場合は、電気回線の新規申し込みや開通工事を行う必要があるかもしれません。
マイナ保険証で照会した情報を電子カルテやレセコンに連携するための改修工事が必要です。導入設置する端末を選定したら、システムベンダーに改修の見積もり依頼をして発注するようにしましょう。
医療機関の規模やシステム内容によっては、見積額が高くなったり数ヶ月の期間を要したりする可能性があります。また、顔認証付きのカードリーダー端末の設置も必要です。
顔認証付きカードリーダー導入にあたり、医療機関等向け総合ポータルサイトでのアカウント登録が必要です。ユーザー登録画面で必要な項目を入力して登録しましょう。
すでに仮メールアドレス・パスワードが記載されたアカウント登録案内文書を受け取っている場合は、「すでにアカウントをお持ちの方はこちらから」よりログインして本登録してください。
顔認証付きカードリーダーの選定と申込みをします。自身のクリニックがどのような扱いに該当するかによって顔認証付きカードリーダーの申し込み方法が異なるため、注意が必要して行いましょう。
次に、システムベンダーへ導入の見積もり依頼と発注を行う必要があります。顔認証付きカードリーダーを用意しただけでは、マイナ保険証のオンライン資格確認を導入することはできません。
オンライン資格確認端末やレセプトコンピューターの改修が完了して、はじめて運用が可能となります。発注から運用まで1ヶ月ほど要する可能性があるので、余裕を持って依頼しましょう。
医療機関等向け総合ポータルサイトにて、オンライン資格確認の利用申請を行います。利用時必要となる情報は、「お客様ID」「電気通信回線種別」「オンライン資格確認の利用開始予定年月日」「運用テスト開始予定年月日」の4つ。
電子証明書の発行申請も同時に行います。電子証明書の通知書は簡易書留での受け取りとなります。
システムベンダーの準備が整ったら、機器の受取りと設定を完了させます。顔認証付きカードリーダーと電子証明書通知書の受取りが完了していない場合、システムベンダーへ相談して日程を再調整する必要があるので気を付けましょう。
機器の設定作業は、現地確認や立会いが必要となる場合があります。事前に所要時間や立ち合い有無を確認しておきましょう。
導入した機器やシステムが正常に動作するか運用テストを実施し、問題がなければ、受付業務等の変更点や実際の運用について確認します。
顔認証付きカードリーダーの使用は指示案内に沿って画面をタッチすれば回答できますが、高齢者など個別フォローが必要な場合もあります。手順を確認し、慌てずフォローできるようにしておきましょう。
実際に運用する際には、「個人情報保護の利用目的の更新」や「オンライン資格確認のポスターやステッカー」など患者向け掲示の準備をしておきましょう。マイナ保険証によるオンライン資格確認の運用開始を周知するポスターには、ポータルサイト掲載の素材を活用すると便利です。
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