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外来医師過多区域とは?大阪市で開業する際の注意点

外来医師過多区域制度の概要や開業への影響、開業時の注意点や成功のポイントなどを詳しく解説します。

外来医師過多区域とは

外来医師過多区域とは、外来診療を担う医師が地域の人口や医療需要に対して相対的に多いと判断された地域のことです。医師が都市部に集中する一方で、地方では医師不足が深刻化している状況を改善するため、国が医師偏在対策の一環として設けた制度です。対象区域では新規開業そのものが禁止されるわけではありませんが、開業前の届出や、在宅医療・初期救急・公衆衛生など地域で不足する医療機能への協力が求められます。地域医療の充実と医師の適正配置を図り、持続可能な医療提供体制の実現を目指す制度として位置付けられています。

外来医師過多区域制度による開業医への影響

外来医師過多区域に指定された地域では、新規開業が禁止されるわけではありません。しかし、開業を希望する医師には事前の届出や、地域医療への貢献に関する協議への参加が求められるため、従来よりも開業までの手続きが増える可能性があります。また、在宅医療や休日・夜間診療、学校医など、地域で不足している医療機能への協力が期待されることから、自身が希望する診療スタイルだけで開業することは難しくなるケースも考えられます。特に都市部では開業のハードルが実質的に高まる可能性があるため、開業予定地の医療計画や地域ニーズを十分に確認したうえで事業計画を立てることが重要です。

大阪府の外来医師過多区域

大阪府では、大阪市が外来医師過多区域です。他にも外来医師多数区域や重点医師偏在対策支援区域といったものがあります。違いなどを解説します。

参照元:厚生労働省|外来医師過多区域に係る候補区域の公表について[※PDF](https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001681549.pdf

外来医師「多数」区域との違いは?

外来医師多数区域とは、外来医師偏在指標に基づき、外来診療を担う医師が比較的多いとされる二次医療圏を指します。外来医師過多区域とは異なり、新規開業時の事前届出は不要です。しかし、新たに診療所を開設する医師には、在宅医療や休日・夜間診療など地域で不足する医療機能への協力が求められます。協力の意向を示さない場合は、外来医療に関する協議の場への出席が必要となり、地域医療への貢献について説明を求められる仕組みです。なお、大阪府では「豊能」「堺市」「大阪市」の3つの二次医療圏が外来医師多数区域に指定されており、これらの地域で開業を検討する際は制度内容を事前に確認しておくことが重要です。

参照元:大阪府公式HP|大阪府外来医療計画(https://www.pref.osaka.lg.jp/o100020/iryo/keikaku/gairaiiryokeiku.html

重点医師偏在対策支援区域とは?

重点医師偏在対策支援区域とは、医師不足が特に深刻で、今後も地域医療の維持が難しくなると見込まれる地域を対象に、国が重点的な支援を行う制度です。2026年度から本格的に開始します。区域内で診療所を開業・承継する医師に対して、施設整備や医療機器の導入、地域への定着に必要な経費などを支援する仕組みです。医師が不足する地域への開業を後押しすることで、地域間の医師偏在を是正し、安定した医療提供体制の確保を目指しています。

外来医師過多区域へ開業する場合の注意点

開業6ヵ月前の届出

外来医師過多区域で診療所を開業する場合は、開業予定日の6ヵ月前までに都道府県へ事前届出を行う必要があります。この届出では、開業の意思だけでなく、診療科目や外来診療・在宅医療への対応、かかりつけ医機能の有無など、提供予定の医療機能を具体的に記載します。届出後は、その内容をもとに地域医療関係者との協議が行われ、地域で不足している医療機能や医療ニーズについて意見交換が実施されます。従来のように立地や経営計画だけで開業準備を進めるのではなく、地域医療の一員としてどのような役割を担うのかを事前に示すことが求められるため、開業スケジュールには十分な余裕を持って準備を進めることが重要です。

参照元:大阪市公式HP|医療法等の一部を改正する法律の一部の施行等(外来医師過多区域に係る無床診療所の開設(医療法)関係)について(令和8年3月19日)[※PDF](https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/cmsfiles/contents/0000652/652043/260319-14.pdf

地域医療への協力要請

外来医師過多区域で開業する医師には、地域医療の充実に向けた協力が求められます。具体的には、在宅医療や訪問診療、休日・夜間診療、学校医や産業医への就任、予防接種や健康診断への対応など、地域で不足している医療機能への参加が期待されています。地域ごとの医療課題に応じて内容が異なるため、開業予定地の医療計画や自治体の方針を事前に確認することが重要です。協力は地域住民の医療アクセス向上や医療提供体制の維持につながるものであり、開業後も地域の医療機関や行政と連携しながら、継続的に地域医療へ貢献する姿勢が求められます。

管理者の保険診療経験

外来医師過多区域で新たに診療所を開設する場合、管理者となる医師には一定の保険診療経験が求められます。地域医療を担う診療所として、保険診療制度を適切に理解し、安全かつ質の高い医療を提供できる体制を確保することが目的です。具体的には、保険医療機関で一定期間以上の臨床経験を有していることが望まれ、診療報酬の算定や保険診療のルールを理解していることが前提となります。経験が不足している場合は、管理者になれないケースや、開業計画の見直しが必要となる可能性もあるため、事前に要件を確認しておくことが重要です。

外来医師過多区域で開業するポイント

地域で不足している診療科目で開業をする

外来医師過多区域で開業を検討する際は、地域で不足している診療科目を選ぶことが重要なポイントです。医師数が多い地域であっても、診療科ごとの偏在により、十分な医療提供が行われていない分野が存在する場合があります。都道府県の外来医療計画や地域の医療ニーズを確認し、不足する診療機能を担うことで、地域医療への貢献につながります。また、地域から求められる役割を果たすことで、行政や医療機関との連携も図りやすくなり、開業後の安定した診療体制が構築可能です。地域の実情を踏まえた診療科選びが、長期的な医院経営の観点からも重要であるといえます。

完全自由診療で開業する

外来医師過多区域の制度は、保険診療を中心とした地域医療の提供体制を整えることを目的としているため、完全自由診療を専門とするクリニックは制度の対象外となるケースがあります。そのため、美容医療や自費診療のみで開業することも選択肢の一つです。ただし、近年は「直美(初期臨床研修後すぐに美容医療へ進む医師)」の増加などを背景に、自由診療のあり方について議論が進んでおり、今後は制度や規制が見直される可能性もあります。そのため、外来医師過多区域の規制を回避することだけを目的に自由診療クリニックを開業することはおすすめできません。長期的な制度変更も見据え、自身の専門性や地域ニーズ、将来の経営方針を踏まえて開業形態を選択することが重要です。

医院承継で開業する

外来医師過多区域で開業を目指す場合は、新規開業だけでなく医院承継も有力な選択肢です。既存の診療所を引き継ぐことで、地域住民や患者との信頼関係、スタッフ、設備などを活用しながらスムーズに診療を開始できます。また、地域医療の継続にもつながるため、行政や地域からも期待される開業形態です。開業コストを抑えられる場合も多く、地域医療に貢献しながら安定した経営を目指しやすい方法といえます。

立地・診療内容などの考え方がより重要となる

外来医師過多区域での開業では、「どこで開業するか」だけでなく、「どのような医療を提供するか」という視点がこれまで以上に重要になります。同じ地域内でも、人口構成や患者ニーズ、競合する医療機関の状況は異なるため、立地だけを重視して開業場所を決めると、地域に求められる医療とのミスマッチが生じる可能性があります。診療圏調査を行い、患者数や周辺の医療機関の診療科目、地域で不足している医療機能などを総合的に分析したうえで、診療内容や診療時間、在宅医療への対応などを含めた機能設計を検討することが重要です。

また、外来医師過多区域では地域医療への貢献も求められるため、開業後の経営だけでなく、地域でどのような役割を果たすかまで見据えた事業計画が必要になります。こうした調査や事業計画の立案を自身だけで進めることが難しい場合は、クリニック開業支援を行う専門会社へ相談するのも有効です。診療圏分析や資金計画、物件選定、各種手続きまで幅広いサポートを受けることで、地域ニーズに合った開業計画を立てやすくなります。

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