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吹田市でクリニックを開業する

吹田市のクリニック開業傾向

クリニックモールの新規開設が多いエリア

吹田市は計画的に整備されたニュータウンや歴史のある旧市街地、商業機能が集約された地域など、さまざまな面が調和を取っているのが特徴です。

鉄道駅も15カ所と隣接する大阪市や新大阪駅、大阪国際空港などへのアクセスにも優れ、地域住民にとっても住みやすいエリアだといえます。クリニックモールの新規開設も多く、医療面も充実していることがわかります。

在宅医療のニーズが高くなる

吹田市内の病院は、それぞれ高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能を有しており、クリニックにもっとも期待されているのは在宅医療かもしれません。

事実、吹田市の75歳以上人口は2025年には約6万人に及ぶと想定されており、在宅医療の需要は現在の1.7倍になると見込まれています。すでに医師会でも対策が練られているようですが、そこを見据えた開業も成功につながるポイントになりそうです。

吹田市の主な診療科ごとのクリニック数(令和3年現在)

診療科で見ると内科が圧倒的に多く、次いで小児科、リハビリテーション科、皮膚科という順に多くなっています。逆に産科婦人科、脳神経外科は少なく、不足傾向にあるといっていいでしょう。開業を検討する際には、開業予定地における競合先のチェックは欠かせません。吹田市の場合は同じ市内でも昼間人口、夜間人口に差があるので、そこに留意することも必要です。

吹田市でクリニックを開業するための準備

開業に必要な許認可と要件

吹田市では、診療所の開設にあたって「診療所開設の手引き」を用意しています。開設を考えている場合には、吹田市のホームページからこちらの手引きを参照するのがおすすめです。医師が開設する場合・非医師が開設する場合に分けて掲載されていますので、当てはまる方を参照しましょう。

開設届

診療所の開設には、診療所として診療行為を可能にするための開設届が必要です。保健所への提出を行います。添付書類などは吹田市のホームページで紹介されています。

ただし、こちらの開設届は受理されるまで診療が行えません。そのため、まずはできるだけ早く保健所への事前相談を行うことが必要です。クリニックの内装が完成したタイミングで事前相談を行うケースが多いようです。

保険医療機関指定申請

保険診療を行う際には、所管の厚生局に「保険医療機関指定申請」を行うことが必要です。こちらの申請を行わないと保険診療を行えません。提出が遅れると保険診療のスタートも遅れるため注意しましょう。

その他必要な申請・届出

上記の届出や申請のほか、従業員数や診療科目などにより提出が必要なものが異なってきます。どのような書類が必要になるのかはあらかじめ確認しておくことが大切です。

クリニックの開業までの流れ

クリニックを開業するまでの大まかな流れは下記の通りとなります。

  1. クリニックの構想を練る
    クリニックの経営理念、方向性、事業計画などについて考えます。さらに、損益計画書や収支予算表の作成も実施します。
  2. 開業する場所・物件の選定
    開業場所を決めるために診療圏の調査を実施します。人口や競合、立地などについて分析していきますが、開業をサポートする会社では診療圏調査なども専門的に行っているケースもあるため、相談してみるのもひとつの方法です。開業エリアが決まったら物件選びも行います。
  3. 資金の調達
    事業計画をもとに必要資金を計算し、金融機関に融資の申し込みを行います。ただし、各銀行により融資条件が異なるため、いくつか相談してみて比較・検討することも大切です。
  4. 医療機器を選定する
    クリニックの診療に必要な機器の準備を行います。導入時には、内装レイアウトと一緒に検討することによって効率的に動ける動線を実現できるでしょう。
  5. 税理士・社会保険労務士を選定する
    税理士や社会保険労務士を選定します。医療機関における税務経験の有無を確認するといったように、医療分野に強い会計事務所を選ぶと良いでしょう。
  6. 開業に必要な届出・申請
    開業に必要な申請・届出を行います。開業スケジュールに合わせて手続きを進めます
  7. スタッフ採用・広告宣伝
    クリニックに必要な人材の採用を行い、必要に応じた研修を実施します。また、集客のための広告宣伝も行います。その中ではホームページの作成なども行っていくことになるでしょう。
  8. 開業
    準備が整ったら、クリニックの開業となります。

吹田市の人口数・推移予測

吹田市の人口は、近年のニュータウン建て替えなどの住宅用地再整備をきっかけに2020年頃まで増加傾向にありました。しかし、今後は人口が減少していくことが見込まれています。人口構造的には年少人口と生産年齢人口が減少する一方で老年人口が増加し、少子高齢化が進展していくでしょう。高齢者の単独世帯も増加していくことが予測されます。

吹田市のクリニックモールやクリニックビルの事例

健都クリニックモール

JR岸辺駅や国立循環器病センター、吹田市民病院と連絡通路で直結している「健都クリニックモール」。8科の専門クリニックに加え、人間ドックや健康診断も受けられるほか、健康イベントの開催などさまざまな取り組みを展開しているモールです。

北千里医療ビル

阪急千里線・北千里駅前に位置し、かかりつけ医にできる複数のクリニックが集約されている「北千里医療ビル」。それぞれに専門特化したクリニックが揃い、幅広い領域の疾患を受け入れています。カフェが併設されているのも患者さんにとって嬉しいポイントです。

千里つくも医療ビル

阪急山田駅からほど近い便利な立地の「千里つくも医療ビル」は、さまざまな診療科のクリニックがテナント入居しており、専用駐車場も完備。ニュータウンに暮らす地域住民の健康を守るクリニックモールとして広く知られています。

クリニック開業を成功させるために

ドクターにとって開業という選択はまさに人生の岐路、是非とも成功させたい一大事業です。そのためには、いかに患者さんのニーズをつかむことができるか、市場性の把握を欠かすことはできません。

開業を検討するにあたって何よりも先に行なうべきは、綿密な診療圏調査です。そして、開業準備から開業後の経営まで何でも相談に乗ってくれる、ビジネスパートナーに相応しい開業コンサルタントを選ぶことが大切なのです。