クリニック開業までのスケジュールは、一般的な商業店舗の立ち上げよりも複雑で時間も手間もかかります。導入する医療機器の選定やレイアウトの検討、衛生面での対策など、求められるものが非常に多いのがその理由です。
したがって、できるだけ早く開業準備を始める必要があります。ここでは、クリニック開業までの一般的なフローを紹介します。
クリニックの開業に向けて最初にやるべきことは、コンセプトの確定と事業計画の立案です。特に事業計画は金融機関から資金を調達するために欠かせません。詳細に、そして現実的な事業計画を作成する必要があります。
目安として、戸建て物件の場合は遅くても開業予定日の約1年半前、テナント開業の場合は約1年前から動き出さなければスケジュール的に厳しくなるでしょう。
資金面については、クリニックのイメージが固まった頃から考え始めてみてください。光熱費や人件費、固定資産税などの固定費用を計算し、収入と経費を踏まえた資金繰りの案を事業計画に反映させていきます。その際には収入を少なめに、支出を多めに見積もっておくことがポイントです。あえて厳しい事業計画を立てておけば、想定外の事態にも対処しやすくなります。
開業する物件の選定と金融機関からの資金調達を行ないます。戸建ての場合は遅くとも開業1年前に不動産のめどをつけておきたいところです。テナント開業の場合は、半年前には賃貸契約を締結しておいたほうが安心です。
金融機関への融資申し込みは、計画の段階から相談しておいたほうがスムーズに話が進みます。もちろん、自己資金によって開業する場合は金融機関との交渉は不要です。
開業まで半年から3カ月前になったら、診療科やコンセプトに沿った内装のデザインを行なって工事を開始します。導入する機器の選定やメーカーとの交渉もこの時期です。
内装デザインが決まれば、デスクや待合椅子などの什器備品、消耗品などの準備も開始します。こういった備品や消耗品の準備を一括で請け負ってくれる業者も存在するので、開業前で慌ただしい場合は任せてしまうのも一手でしょう。
また、電子カルテ導入の検討もこの時期に行ないます。予算や利便性、サポート体制などのポイントを踏まえておけば、電子カルテはクリニックのスムーズな運営に役立ちます。
遅くとも開業1カ月前までには、クリニックに必要な人材を確保しなければなりません。さまざまな募集媒体を利用して、看護師や事務員、技師などの具体的な採用活動を行ないます。その際は近隣のクリニックの給与相場なども参考にすることで、適正な費用でスタッフを集めることができます。人材紹介会社や転職サイト、求人誌などの媒体も活用できます。
また、この時期になると地域に向けた広告も必要です。ホームページも開設し、開業を周知して集患につなげましょう。
開業の準備が整ったら、保健所への開設届、厚生局への保険医療機関指定申請書をはじめとした各種行政手続きを行ないます。ただし、そういった申請書類はスムーズに受理されないことも多くあります。必ず事前相談に行ってチェックしてもらいましょう。
このほか、診療報酬支払基金や国保連合会への申請、税務や労務などの手続きも忘れてはいけません。申請に不備があると、開業そのものに支障をきたしてしまう可能性があるので注意が必要です。
上記のような開業までの作業には専門的な知識も必要で、これらすべてをドクターが独力でこなすのは困難です。そこは信頼できる開業コンサルタントを見つけ、一括でサポートしてもらったほうが賢明でしょう。
実際にクリニックを開業するにあたって、どのようなスケジュールで何から始めていけば良いのでしょうか。具体的なスケジュールを確認しましょう。
クリニックの開業に伴い、経済的に収入を増やしやすいというメリットもあれば、経営者としての資金負担などのデメリットも発生します。それらのメリット・デメリットを踏まえた上で、それでも開業に至る理由を明確にして開業の決断をしましょう。
どの程度の規模でクリニックを開業・運営するか、どんな診療をしたいのか、医療機器の導入はどの程度まで行うのか…。具体的なビジョンをしっかり定めた上で、リストアップしておきましょう。
都市部は競合が多い分人も多く、郊外は競合が少ない分患者が通いづらい可能性もあります。物件も一般のテナントにするのか、戸建てや医療ビル、継承ビルという選択肢もあるためよく検討しましょう。
事前協議で医院の名称や診療科目などをあらかじめ定めておき、開業直前の手続きに備えましょう。内装工事などを行う場合には、各機関に許可申請書や申請料金を提出する必要もあります。
広告やマーケティング戦略について、コンサルタントなども頼りながら早めのタイミングで検討しておきます。WEBページの作成にも時間がかかりますから、デザイン案なども考えましょう。
融資の確約や医療機器の搬入経路の確保など、各条件を加味しながら物件の契約をしましょう。事前に保健所との協議や医師会の加入条件も要確認です。
銀行を決め、融資の申込のために事業計画を作成したり、面談の申込を行います。物件資料や各種見積書を用意し、面談で融資を受けるための手続きを行います。
医院開業当初は収入が不安定になる場合も多いため、当面の生活費について見通しを立てておきましょう。
診療科やコンセプトに適した内装になるよう、クリニックの設計を進めていきます。施工業者の選定もこのタイミングで行い、設計・施工費用について把握しましょう。
スタッフを採用するにあたり、このタイミングで徐々に条件を検討・設定していきましょう。人員体制や職種・勤務形態別の給与、各スタッフの仕事内容などを具体的に考えていきます。
実際に導入することを検討している医療機器について、この段階で見積もりを集めてどの機器を導入するか検討しましょう。早めに発注できるようスムーズに進めることが重要です。
医療機器以外の、電子カルテや予約システム、オンライン診療システム、自動精算機といったICTツールに加えて、椅子・テーブルなどの備品を選定し導入していきます。
事前に決めたコンセプトや内装に沿った施工ができる、設計・施工業者と実際に契約を締結します。
スタッフの募集は開業の6~5ヶ月程度前から行うのがベター。まずは無料で募集を行い、集まりが悪ければ有料求人も活用しましょう。
マーケティング活動として、ホームページティザーサイトを公開するのはこの時期です。予告サイトとして、クリニックがどのような診療科・コンセプトなのかを地域住民に知らせます。
開業3か月前ほどから、内装工事の着工が始まることがほとんどです。着工のタイミングで着手金の支払いが発生し、見積書と一緒に渡される行程表に沿って工事が行われます。週に1~2回程度は現場に足を運んで、不備や使い勝手を確認しましょう。
ティザーサイトとして公開したサイトは、3ヶ月前くらいのタイミングで本サイトとして公開されます。外部に依頼してサイトを作成した場合は、このタイミングでサイトに不具合がないか確認しましょう。
また、ポスティングなどの印刷物もこの段階で作成していきます。
実際に必要となるクリニックの運転資金や、医療機器・各種設備の購入費はこのタイミングで借入を行います。
クリニックの運営に伴うお金の動きについてサポートを得るため、税理士の選定・契約を行いましょう。税理士は困りごとやトラブル時のフォローもしてくれるため必須で契約しておくことをおすすめします。
また、社会保険の手続やスタッフとのトラブルといった事態にそなえて、煩雑な手続きに精通した社会保険労務士との契約もしておくと無難です。
必ず数か月前のタイミングで事前相談を行ってから、このタイミングで保健所・厚生局で各種申請・届出を行いましょう。医療法人とするか個人診療所とするかで手続きの内容が大幅に変わるため、早めの確認が大切です。
入会金などを支払ってから、医師会に加入しましょう。クリニックの宣伝に繋がるだけではなく、健診や予防接種案件の仕事を受託できる等のメリットがあります。
購入した医療機器の搬入を進め、医療機器の営業担当者とサイズ感や使用感について確認しておきます。不明点はこの段階で明らかにしましょう。
オープニングスタッフを集めて、実際に患者さんが来院して診療を受ける流れをシミュレーションしましょう。医療機器の操作説明や練習、電子カルテやレセコンの説明も行います。
スタッフの社会保険・労働保険の手続きを進めます。煩雑なため、社会保険労務士がいると心強いでしょう。
税理士に依頼して青色申告書の提出や、棚卸資産・給与関係の手続きをすませます。
実際に印刷物のポスティングを開始したり、看板を設置したりします。作ったWEBサイトや印刷物は、診療時間・電話番号などの情報が間違っていないか要チェックです。
各種ICTツールや診察室の備品、受付・待合室に必要なマガジンラックやごみ箱、スタッフルームの冷蔵庫や電子レンジなど…。未購入の備品があればこの時点で揃えます。
必須ではありませんが、地域住民にアピールできる機会となるためクリニックの内覧会を開催するのもおすすめです。
クリニック開業を目指すのであれば、開業エリアを検討するための診療圏調査と開業作業に併走してくれる開業コンサルタントが欠かせません。そのため、クリニック開業を考えるのであれば最初に「診療圏調査を無料で提供しているコンサルティング会社数社をピックアップし、問い合わせをすること」が必要になります。信頼できる大阪のコンサル会社を紹介してますので、是非チェックしてみてください。
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・メディカルシステムネットワーク:該当企業の内で唯一、自社で独自にクリニックモールを展開している。
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・YS‘Journal:該当企業の内で唯一、全国規模での開業物件サイトを運営している。