大阪市の南西部に位置する住之江区は、住之江公園や北加賀屋、粉浜などの住宅地に加え、南港ポートタウンや咲洲などの湾岸エリアを有する行政区です。Osaka Metro四つ橋線・ニュートラム・南海本線などを利用でき、なんばをはじめ大阪市中心部へのアクセスにも優れています。
2025年国勢調査速報による住之江区の人口は115,287人です。2020年国勢調査の120,072人から4,785人、率にして4.0%減少しており、市内でも人口減少がみられる地域のひとつとなっています。
一方、地域によって生活環境は大きく異なります。既成住宅地、駅前エリア、大規模集合住宅が立地する南港ポートタウン、業務・商業機能が集まる咲洲など、それぞれ患者の年齢構成や生活動線が異なるため、区全体ではなく開業候補地を中心とした細かな診療圏調査が重要です。
住之江区は大阪市内でも高齢化が進んでいる地域です。大阪市がまとめた2023年10月1日現在のデータでは、65歳以上人口は37,543人、高齢化率は32.0%となっており、大阪市24区の中で3番目に高い水準でした。
75歳以上人口も20,976人で、区人口の17.9%を占めています。そのため、慢性疾患管理や整形外科領域、在宅医療など高齢者に関係する医療は検討材料となりますが、住之江区には既存の在宅医療機関などもあります。
「高齢者が多いから在宅医療なら開業しやすい」と判断するのではなく、既存クリニック、病院、訪問看護、介護事業所などを含めた地域の医療・介護提供体制を確認しましょう。
住之江区が属する大阪市二次医療圏は、大阪府の外来医療計画において「外来医師多数区域」に位置付けられています。そのため、新規開業では診療所数だけを見るのではなく、地域で不足している医療機能や既存医療機関との役割分担まで考える必要があります。
さらに、2026年3月には厚生労働省が新制度における「外来医師過多区域」の候補区域のひとつとして大阪市二次医療圏を公表しました。
候補区域がそのまま外来医師過多区域になるわけではなく、実際の指定は都道府県が行います。外来医師過多区域として指定された地域では、無床診療所の新規開設について原則として開設6か月前までの届出など新たな仕組みが設けられるため、実際の開業時点で大阪府・大阪市の最新情報を確認しましょう。
地域医療情報システム(JMAP)が掲載している最新の地域内医療機関情報では、住之江区には102施設の一般診療所があります。主な診療科系統別の施設数は以下の通りです。
なお、複数領域を診療するクリニックは、それぞれの診療科系統に重複して計上されています。そのため、診療科別の施設数を合計しても一般診療所102施設とは一致しません。
従来のページでは「産婦人科・耳鼻咽喉科が不足している」としていましたが、現在のJMAPでは、人口10万人あたりの産婦人科系診療所は6.66施設で大阪府平均4.75施設、耳鼻咽喉科系は7.50施設で大阪府平均5.78施設となっており、施設数から不足しているとは判断できません。
一方、皮膚科系診療所は人口10万人あたり5.00施設で、大阪府平均12.55施設を下回っています。ただし、人口比で施設数が少ないことと、実際に患者需要が満たされていないことは同じではありません。候補地周辺の競合状況、患者の年齢構成、診療内容、隣接区への患者移動などを調査した上で判断しましょう。
住之江区で診療所を新規開設する場合、現在の大阪市では診療所所在地の各区保健福祉センター保健業務担当へ申請・届出を行います。住之江区での開業であれば、住之江区保健福祉センターへ相談しながら手続きを進めます。
従来のページでは「大阪市保健所が所轄」としていましたが、現在は診療所所在地の各区保健福祉センターが提出先として案内されています。
また、医師個人による診療所開設届は開設後に行う届出であり、「開設届が受理されるまで診療を開始できない」という手続きではありません。ただし、建物の構造設備などについて確認が必要になるため、物件契約や内装工事を進める前に事前相談しておくことが重要です。
大阪府・大阪市では、新規・既存の医科診療所開設者に対して「地域医療への協力に関する意向書」の提出を依頼しています。
意向書の提出は医療法に基づく義務ではありませんが、休日・夜間急病診療、学校医・予防接種などの公衆衛生業務、医療機関間での医療機器利用など、地域で必要とされている医療機能を把握するために活用されています。
健康保険を利用した保険診療を行うには、診療所の開設手続きとは別に、近畿厚生局へ「保険医療機関指定申請」を行い、保険医療機関として指定を受ける必要があります。
申請時期によっては希望する開業日から保険診療を開始できない場合があるため、申請締切や指定日を確認し、開業日から逆算して準備しましょう。
診療内容や設備によっては、開設手続き以外にも申請・届出が必要になります。診療用エックス線装置を設置する場合や病床を設ける場合、構造設備を変更する場合などには、それぞれ所定の手続きを確認しましょう。
従来のページに記載されていた「麻酔管理者の免許申請」は、一般的な診療所開設時の手続きとして大阪市の案内では確認できないため削除しています。生活保護法指定医療機関などについては、実施する診療内容に応じて必要性を確認しましょう。
住之江区の人口は、2020年国勢調査では120,072人でしたが、2025年国勢調査速報では115,287人となり、5年間で4,785人、4.0%減少しました。
国立社会保障・人口問題研究所の2023年推計では、住之江区の人口は2030年109,979人、2040年97,639人、2050年85,058人まで減少すると予測されています。
一方、65歳以上人口は2020年の37,561人から、2040年には39,075人になると推計されています。その後は高齢者人口そのものも減少しますが、総人口の減少が大きいため、2050年の65歳以上人口36,932人は総人口の約43%を占める計算です。
また、0~14歳人口は2020年の12,539人から2050年には6,423人まで減少する見込みです。クリニック開業では、現在の人口だけではなく、人口減少と高齢化による将来の患者構成の変化まで見据えることが重要です。
Osaka Metro四つ橋線・ニュートラム「住之江公園駅」に直結する複合施設「オスカードリーム」の5階には、複数のクリニックが入居しています。駅と施設が通路でつながっており、公共交通を利用して通院しやすい立地です。
2026年時点では、皮膚科・泌尿器科の「もりやクリニック」、耳鼻咽喉科の「すぎたクリニック」、内科・リハビリテーション科・麻酔科の「榊原クリニック」などが診療しています。
住之江区粉浜の「キリンドプラザ帝塚山」2階にあるクリニックモールです。Osaka Metro四つ橋線「玉出駅」から徒歩2~3分程度で、阪堺線や南海線からもアクセスできます。
2026年時点では、一般内科・循環器内科・リハビリテーションを診療する「てづか内科クリニック」、耳鼻咽喉科の「てらお耳鼻咽喉科」、歯科の「ティーズデンタルクリニック」などが入居しています。施設内には調剤薬局もあります。
従来のページでは「南港ポートタウンメディカルビル」としていましたが、その名称の医療モールについて現在の実在を確認できなかったため、記載を見直しました。
一方、ニュートラム「ポートタウン東駅」周辺には、南港ポートタウン管理センターなどに複数の医療機関が集まっています。2026年時点では内科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科などの医療機関が確認できます。
南港ポートタウンは大規模集合住宅を中心とした生活圏が形成されているため、開業を検討する場合はポートタウン内の年齢構成、既存医療機関、住之江公園方面への患者移動などを含めた診療圏調査が必要です。
Osaka Metro四つ橋線とニュートラムが接続する「住之江公園駅」は、住之江区の主要な交通拠点です。駅周辺には住宅、商業施設、住之江公園、医療機関などが集まり、鉄道だけでなくバスや自転車など複数の交通手段を利用する人が行き交います。
オスカードリーム内をはじめ既存クリニックも複数存在するため、駅近というだけで開業地を判断するのではなく、競合クリニックの診療科、専門領域、診療時間、患者の徒歩・自転車圏などを確認することが重要です。
Osaka Metro四つ橋線「北加賀屋駅」周辺には住宅地が広がるほか、南港病院や南港クリニックなどの医療機関も立地しています。南港クリニックでは内科・小児科・産婦人科・心療内科など複数領域の診療が行われています。
従来のページでは「北加賀屋メディカルスクエア」という医療モールを掲載していましたが、2026年時点でその名称の施設を確認できなかったため削除しています。
北加賀屋で開業を検討する場合は、既存診療所だけでなく南港病院など地域病院との役割分担や病診連携も考慮しましょう。
南港エリアは、住宅地であるポートタウンと、業務・商業・展示施設などが集まる咲洲で地域特性が異なります。ポートタウンでは居住者を対象とした地域密着型医療が中心となる一方、咲洲では就業者や来訪者など居住人口以外の人の流れもあります。
そのため、同じ南港エリアでも居住人口だけで診療圏を判断せず、昼間人口や交通動線、既存医療機関の配置まで確認することが重要です。
住之江区は2025年国勢調査速報で約11.5万人が暮らし、100施設を超える一般診療所がある地域です。一方、人口は減少傾向にあり、高齢化率は大阪市平均を上回っています。
また、従来のページで「不足している」としていた産婦人科・耳鼻咽喉科は、現在の人口あたり施設数では大阪府平均を上回っています。施設数だけから「競合が少ない」「開業が有望」と判断することは避ける必要があります。
住之江区内でも住之江公園、北加賀屋・粉浜、南港ポートタウン、咲洲では患者層や生活動線が異なります。人口・年齢構成、診療科別の競合、既存クリニックの専門性、病院との連携、昼夜人口、交通手段、将来人口などを組み合わせた診療圏調査を行い、候補地に適した診療内容と事業計画を検討しましょう。
クリニック開業を目指すのであれば、開業エリアを検討するための診療圏調査と開業作業に併走してくれる開業コンサルタントが欠かせません。そのため、クリニック開業を考えるのであれば最初に「診療圏調査を無料で提供しているコンサルティング会社数社をピックアップし、問い合わせをすること」が必要になります。信頼できる大阪のコンサル会社を紹介してますので、是非チェックしてみてください。
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2022年1月31日時点で、「クリニック開業 大阪」「医院開業 大阪」とGoogle検索して表示された40社の中から、本格的な診療圏調査を無料で提供している会社の内、大阪に本社もしくは支店を持つ3社を、以下の理由により選出。
・メディカルシステムネットワーク:該当企業の内で唯一、自社で独自にクリニックモールを展開している。
・北浜医療総合経営:該当企業の内で唯一、大阪でのクリニック開業支援を専門的に行い、医業承継の事例を掲載している。
・YS‘Journal:該当企業の内で唯一、全国規模での開業物件サイトを運営している。