個人事業主としてクリニックを開業する場合、累進課税制度により税額が高くなります。売上が増えるほど税率も上がるため、節税対策が重要です。このページでは、開業医向けの節税ポイントや対策をまとめています。
開業医の節税ポイントには、「経費を増やす」「必要経費の再確認」の2つがあります。経費計上は節税に効果的なので、詳しくチェックしていきましょう。
収入を減らせばそのぶん税率も下がるものの、生活が苦しくなる可能性があるため賢明ではありません。税率を下げるのにおすすめの方法は、経費を増やすという点です。これなら収入を減らす必要がないので、生活に支障を来たす恐れがないでしょう。
なお、個人開業のクリニックで有効となる経費は、以下の通りです。
これらはすべて経費として計上できるので覚えておきましょう。
クリニックの「設備費」に含まれるのは、医療機器の購入費や修理代、受付事務などで使用するPC周辺機器の購入費などです。クリニックの事業として使用している部分は、床面積で按分をすることで経費計上するなどして節約が可能です。
クリニックで雇用しているスタッフの方々に対する、給与・賞与・社会保険料などが含まれます。一般的には売上に対して約2.5~3割程度を占めるとされていますが、経費の中でも最も多い割合を占めることができます。
クリニックで雇用しているスタッフ全員を集めて、慰安旅行に出かけるというクリニックもあります。実は慰安旅行も「福利厚生費」として計上できますから、スタッフのモチベーションアップも兼ねて、福利厚生を充実させるのも良いでしょう。
個人開業医になれば、自分で様々な事務作業を行うことも増えるでしょう。例えば従業員不在の場所で書類作成やPC作業を行ったりなど…。実はその際に利用したカフェ代・場所代は、事業のための「会議費」として経費にすることが可能です。
クリニックの運営に関連していることが前提ですが、近隣病院との連携や経営指南のお礼のために支払った飲食代・ゴルフ代などは、妥当な金額の中で「交際費」として計上できます。プライベートな支出と間違えないよう、領収書の裏にメモを残すと無難です。
専門的な知識・症例を勉強するために、県外や海外での学会に参加することもあります。学会の開催者が交通費を負担することもありますが、参加した開業医が支払った旅費(交通費や宿泊代など)は、経費として計上が可能です。
意識的に節税対策を行っていたとしても、計上し忘れている必要経費があるかもしれません。特に、自宅兼クリニックを開業する場合、クリニック事業で使用したものは「家事按分」として経費計上できますが、見落としてしまいやすいため注意が必要です。
経費にできるものには、以下が挙げられるでしょう。
持ち家の一部をクリニックとして利用する場合、上記以外に建物の減価償却費や固定資産税、火災保険の保険料なども経費の対象となります。
クリニックの開業に準備で発生する費用のうち、一部のものは「繰延資産」として経費計上することが出来ます。
繰延資産として認められるのは、「開業すると決心した日」から「クリニックのオープン日の前日」までにかかった費用であり、備品等の購入費はもちろん、
なども繰延資産として認められます。
なにが繰延資産として認められるのかをしっかり理解しているのといないのとでは、開業してからの税金対策に大きな差が付きます。クリニックの開業を考えているという方は確認しておきましょう。
保険診療収入が5,000万円以下で、さらに総収入が7,000万円を下回る場合、租税特別措置法の特例によって大幅節税が可能です。経費率は保険診療収入によって変動します。具体的に、保険診療収入が2,500万円以内の場合、概算経費率は72%です。
こちらの特例は、条件に当てはまるクリニックが利用する・しないを自由に決められます。また、確定申告では経費の金額をきっちりと算出するのが一般的ですが、この特例を使用する場合は領収書などを丸ごと集計しなくても経費を計上できるのもポイントです。
引用元:CLIUS クリニック開業マガジン(https://clius.jp/mag/2022/09/09/clinic-setsuzei-zeirishi/)小規模企業共済は毎月の掛け金が所得控除の対象となるうえ、退職金のない個人事業主のリタイア資金となるので、節税対策としてよく利用されています。掛け金は上限を7万円として500円単位で設定でき、加入後でも増額・減額が可能です。
ただし、法人化した場合には加入資格が失効するため、解約が必要となります。また、解約手当金は支給されますが、積立金額を下回るケースがあるので注意しましょう。
引用元:WEB DOCTOR(https://tokyo-doctors.com/webdoctor/5514#i-11)中小企業倒産防止共済とは、万が一取引先が倒産した場合に倒産連鎖を防ぐための共済制度です。中小企業ならびに個人事業主が対象となっており、毎月掛け金を支払うことでトラブル発生時に資金を借りられます。
そんな中小企業倒産防止共済は、掛け金を経費として計上可能です。加入期間によって解約金の額は異なるものの、受け取った金額は収入となります。
クリニックで働くスタッフを対象とした生命保険への加入も、節税対策としておすすめです。スタッフの怪我や病気に備えられるうえ、退職金の元手としても利用できます。保険金の受取人を従業員の家族に設定することで、保険料の50%を経費として計上可能です。
引用元:WEB DOCTOR(https://tokyo-doctors.com/webdoctor/5514#i-11)クリニックの収入が上がり、安定した収入を得られるようになったら、思い切ってクリニックの法人化を考えてみるのも良いかもしれません。個人開業のクリニックは税率が最大55%と高く、法人化すれば税率を大幅に低くできます。具体的に、クリニックを法人化した場合の税率は、800万円以下の場合で17.59%、800万円以上の場合で27.21%です。また、法人化すれば退職金を受け取れるなどのメリットもあるでしょう。
引用元:WEB DOCTOR(https://tokyo-doctors.com/webdoctor/5514#i-11)iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。個人開業医なら月々68,000円まで掛け金をかけることができ、全額が所得控除の対象とされています。月々68,000円の掛け金なら、年間で816,000円も控除されることになるでしょう。元本割れのリスクが伴う点がiDeCoの注意点ですが、投資信託として利益を上げることもできます。
家族経営でクリニックを営んでいる場合には、所得分散を見直すことが節税にも繋がります。例えば所得金額が同じであっても、一人の所得とした場合は所得税が高くなりますが、家族内で分散することによって所得税を引き下げることが可能です。個人開業医一人で所得を負担するのではなく、クリニックを手伝ってくれている家族に給与として支払うことで節税になります。
例えば医療設備やパソコン、空調設備、コピー機など…クリニック事業で使用する資産は「償却資産」として資産に課税されます。1月1日時点で所有しているものに課税されるため、12月31日までに廃棄すれば課税されないという特徴を持ちます。つまり売り上げが伸びて所得が高くなりそうな年を見極めて、高額な設備を導入する…といった戦略も取れるのです。
特別支出控除とは、以下の対象で支出があった場合、合計が給与所得控除額の1/2を超えたときに、超過分が控除対象になるというものです。
特別支出控除を受けるためには、確定申告の際に明細・証明書の添付が必要です。
参照元:国税庁|No.1415 給与所得者の特定支出控除(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm)
参照元:iDeCo公式|かんたん税制優遇シミュレーション(https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/)
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