開業医として働くスタイルはさまざま。中には放射線科のクリニックを開業したいと考える医師もいるでしょう。このページでは放射線科を開業するポイントや開業までの流れ、開業資金、年収などを分かりやすく解説します。
放射線科を標榜したとしても、どうしても放射線科だけで一定の患者数を確保するのは難しいでしょう。患者にとって放射線科は検査をしてもらうというイメージが強く、かかりつけ医が指示したうえで検査を行う流れがあるからです。そのため内科や外科などを標榜して開業する方法を検討しましょう。標榜自体は自由に設定できます。
放射線科を専門としたクリニックを開業することも可能です。たとえば画像診断に特化したクリニックを開業し成功を収めるためには、近隣エリアの個人クリニックから患者を紹介してもらう必要があるでしょう。通常のクリニックにはない設備をアピールすることで、検査目的で患者を紹介してくれる可能性が高まります。だからこそ近隣のクリニックの医師と交流を盛んに行い、人脈作りに注力しましょう。
放射線科医としての経験も浅く、治療実績もほとんどない医師だと開業したとしても成功するのは難しいでしょう。放射線科医として長いキャリアを持ち、数多くの症例を診てきた実績があれば、信頼性も高まりやすくなります。もちろんキャリアや実績が全てではなく、コミュニケーション力や対応力、接客態度なども重要なポイントにはなりますが、経験を積んでいる分、柔軟な診療がしやすくなるでしょう。
先代の院長が他界し、2021年8月医クリニックを承継した事例です。国立国際医療研究センター病院の診療にも携わっていたため、当初は土曜日限定で外来の診療を行いつつリニューアルの準備を実施。2022年3月に前勤務先を退職し、4月よりクリニックの診療に専念しています。
地域のクリニックにはCTを導入しているケースがほとんどないため、近隣のクリニックと連携を図りながら高精度の画像診断を提供できる環境を整えたいと検討。将来的にはMRI・マンモグラフィ・骨密度測定装置など、地域の検査センターのような役割を果たしたいと考えています。
放射線科医として勤務していたときは患者と直接コミュニケーションを取ることはほとんどなく、開業した当初は戸惑いもありました。しかし経験を重ねるうちに戸惑いや不安はなくなり、一人ひとりの患者に対し分かりやすい説明を心掛けています。放射線科医は大きな医療機関で勤務するのが当たり前でしたが、画像診断の需要が高まることが想定される今では放射線科医も開業を視野に入れてもいいのではないでしょうか。
参照元:富士フイルムグループ|放射線科クリニックの開業をワンストップで支援
開業するうえで重要になってくるのが、病院づくりのコンセプトです。コンセプトもない状態でクリニックを開業したとしても、成功するのは難しいでしょう。どのような病院づくりをしたいのか、どんな医療を提供したいのかを具体的に洗い出してください。
コンセプトが決まれば、基本計画の策定に移ります。どの程度の規模のクリニックにするのか、必要な資金はどの程度かなど具体的な数値を盛り込みながら決定していきましょう。基本計画を立案するにあたって、周辺のクリニックの調査なども必要となるため、開業コンサルタントなど外部に依頼する方法もあります。
どこでクリニックを開業するのか具体的に土地を決めていきましょう。この土地によって集客に大きく影響を及ぼすので、慎重に選定することが大切です。またテナント・戸建て・建て貸し戸建て・定期借地権などの形態もあり、どの方法が適しているのかも決定しなければなりません。
上記のような費用が掛かると想定されています。ただ医療機器に関してはリース契約にすれば、上記よりも予算を抑えられるでしょう。また導入する設備によっても費用負担は大きく変動するため、注意が必要です。たとえばCTを導入する場合2500万円ほど、放射線治療機器の装置は低価格機でも約3億円の費用が掛かります。そのため予算なども踏まえて、導入する設備を検討してください。
参照元:医院開業ロードマップ|医院開業までの手順開業した放射線科医の年収情報は見つかりませんでした。しかし医師全体の平均年収が1596万円程度とされているため、全体と比べると放射線科医の年収はやや低めと言えるでしょう。
※2023年4月時点
参照元:大阪府健康医療部保健医療室 保健医療企画課放射線科という標榜だけでクリニックを開業する場合、患者数の確保が難しいといった不安が伴うでしょう。そのため内科などの標榜と組み合わせる、近隣のクリニックと連携を図るなどの工夫が必要になってきます。しっかりと地域で画像診断などのニーズが高いかどうかを調査したうえで、開業を検討することが大切です。
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